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bgeigies4ukraineが集めた30万以上のデータポイント !

In Air Quality, featured, Hardware, センサーネットワーク, ニュース, マップ, 主要記事, 放射線, 測定, 論説 by azby

パートナー機関であるチェルノブイリ放射線・生態系生物圏保護区のスタッフがチェルノブイリで使用しているbGeigie

 

#bgeigies4ukraineプロジェクトは、3ヶ月あまりの間に、ウクライナで新たに30万件以上の放射線データを蓄積しました。私たちは、この顕著な成果を誇りに思っています。データセット全体はこちらの地図で見ることができます。

Areas covered by the #bgeigies4ukraine dataset as of Sept. 17, 2022.

昨年7月にこのプロジェクト発表時に説明したように、Safecastは、20222月のロシアの無謀で残忍なウクライナ侵攻が始まった直後から、侵攻後の新しいオープンな放射線データセットを組み立てるために、現地ボランティアにbGeigiesを提供し、高いモチベーションの国際チームの結成を開始しました。プロジェクトメンバーは、5月からウクライナでbGeigiesを使って定期的かつ一貫してデータ収集を行っています。また、環境放射線の専門家からは、「赤い森」を含むチェルノブイリ排除地域(CEZ)内の膨大な量の新しいデータが提供されています。
また、いくつかの主要都市はすでに調査が完了しており、その他多くの重要な町や主要な連絡道路からの代表的なデータも得られています。世界的に懸念されているザポリジャー原子力発電所の北東約50kmにあるザポリジャー町のデータは得られていますが、発電所そのものに近いデータはまだ得られていません。また、東部や南部など、常に砲撃を受けている地域のデータもありません。ボランティアの安全を第一に考え、データ収集のために不必要な危険を冒すことは控えています。しかし、以前はアクセスできなかった地域が安全になり、地図上のウクライナの地理的範囲が徐々に広がっていくことが予想されます。

The #bgeigies4ukraine dataset coverage

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日本のCOVID-19のデータの不正確さについて

In featured, ニュース, マップ, 主要記事 by azby

2020年4月28日、アズビー・ブラウンによって公開

以前の記事(こちらこちら)で、COVID-19の検査に関して日本で実際に決められている方針を整理しようと試みました。私たちはデータに一貫性がなく他の公式データにも問題があり、実際に検査が行われた数と感染の可能性がある人数を一般の人がうまく把握できなくなっていることを指摘しました。このデータ問題について私たちが記事を公開してから4週間が経ちました。4週間前の当時は、20,340件の検査が日本で報告され、全国で1214名が陽性、そのうち東京都の陽性患者が171名でした。国内の新しい陽性患者数は1日100名以下でした。(この記事を書く)現在では、一番最近のデータによれば、150,692名の方が検査を行い、国内で13,448名の方が陽性、そのうち東京都だけで3,908名となっています。新規に陽性判定された人数は1日平均で現在約400名ですが、最高値は4月11日に記録され、700名の方が陽性判定されました。

これらの数値は、もちろん、2月から3月にかけての明らかな感染の増加を示しており、日本はすでにコロナウイルスを「克服」したと主張する声を抑えたに違いありません。当時、感染者の増加割合は大きく、医療機関も過剰負荷に対する混乱のサインを既に示していましたが、我が国では、指数関数的に患者数が増えるフェーズにはまだ到達していなかったように見えます。私達が何度も指摘しているように、日本では症状の発生している方々さえ検査を受けるのは非常に困難です。私たちはこの問題に皆さんが非常に感心を持たれていると気づいたので、自分達で感染に関する実態を報告できるオンラインマップを作成しました。検査が行われた人口比率(約0.008%)を調べた通り、少数の検査しか行われていないことを考えると、より大規模な感染拡大についてどれだけ早く知ることが出来るのでしょうか。私たちは3月にしたのと同じ質問をしなくてはいけません。意図的に検査を絞る現状の「クラスター対策」のアプローチで見落としている感染者はどれくらいいるのでしょうか。特に無症候または発症前(そして現状のガイドラインでは検査対象外とされる人)の方を中心に、もっと多くのCOVID-19陽性の人達がいるにも関わらず、彼らが特定されず速やかに隔離されず、ウイルスの感染拡大を抑えられない場合、どれだけ危険な状況になりそうでしょうか。

英国キングスカレッジのPopulation Health研究所長を務める渋谷健司教授(以下、渋谷氏)が先週、東京の外国人記者クラブ(FCCJ)向けにオンラインの記者発表を行ないましたが、公開データを踏まえて考えを述べ、気がかりな地域を明らかにしました。私達が先述した通り、渋谷氏は「クラスター対策」のアプローチのみに委ねることのリスクについて警鐘を鳴らしており、日本でさらに検査数が急増する危険があると警告しました。皆さんには、彼の記者発表ビデオをご覧いただきたいと思います。具体的には、多くの理由を元に、日本の実際の感染者数は、公的機関を介して発表されている現在の人数の少なくとも10倍はいるだろうと渋谷氏は試算しました。翌日、厚生労働省の主要メンバーの一人である北海道大学の西浦博教授(以下、西浦氏)は、東京で記者会見を行い、渋谷氏の試算と同じ見解を示し、実際は10倍以上かも知れないと付け加えました。同時に、西浦氏は、データは現在、全国の感染者は減少傾向を示していることを何度か繰り返し述べました。直近のグラフデータも同様の傾向を示しているようです。

22020年4月27日付の日本全国の感染者件数(参照:https://covid19japan.com/)

2020年4月27日付の東京都内のCOVID-19感染者データ
(参照:https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/en/)

渋谷氏が彼の記者発表で指摘したように、日本政府の資料から報告された件数を見る際には注意しなければいけない点が沢山あります。いくつかの理由から、確認できるデータを元にしっかりとした疫学的な結論を導くことは難しいはずだと渋谷氏は考えています。COVID-19に感染してから、重症化し、日本の厳しいPCR検査の基準を満たすまでには約2週間かかることが非常に重要で、理解しなくてはいけません。私達が目にする一日の陽性患者数は、数週間の間にすでに存在していた感染者をデータを編集した日時に報告しているに過ぎません。これらの件数は、時差のある指標であり、2週間前の感染拡大のごく狭い一部を捉えたものです。渋谷氏によれば、仮に、特に発症前、無症候の感染者に対して、さらに広範囲に検査の実施を行えるなら、最新の感染拡大の全体像をより捉えることが出来るだろうとのことです。

もう1つ注意しなくてはいけない点としては、報告の遅れとデータの一貫性の無さから、民間の研究所で実施された検査結果が完全には公開されていないということです。例えば、東京都が提供する二か国語対応のwebサイトは、公に行われている取り組みの中でも良いものの1つですが、公的機関の報告は毎日更新しているのに対して、民間の研究所からのデータは毎週金曜日に週ごとのデータが更新されるだけになっています。その結果、サイトに公開されている感染者数が、毎週金曜日に不思議な増え方を見せています。似たような増え方が検査数の合計グラフにも影響しています。これに関する説明は東京都のwebサイトのどこにも明らかになっていません。

日本の検査システム、感染者報告システムのほとんどは自動化あるいは完全なオンライン化がなされていません。信じられないことですが、全てのデータはまだファックスで送られており、手入力で転記し、編集しなければなりません。このことが不要な遅延を招き、データ入力エラーの可能性を高めています。非効率なデータ編集プロセスや、実際にデータのカテゴリーが表しているものが元の印象に対して違うこと、そして、報告されている検査数が引き続き一致しないことを考えると、これらの数値のみに基づいて実際に何が起きているのか評価することは難しいのです。最も気がかりなことは、このデータがどれも一般利用が出来ないので、外部の研究者が独自に検証し、複製し、評価する方法が無いことです。渋谷氏は、国立感染症研究所(NIID)からCOVID-19に関するデータを取得し、分析しようと試みた経験について語りましたが、特に彼の立場と評判であれば、非常に簡潔なプロセスであったに違いありません。渋谷氏は特定の申請書類を記入する必要があり、申請プロセスは数ヶ月かかると言われたそうです。国立感染症研究所(NIID)が持っている背景データにアクセス出来ない限り、私たちは一般利用のデータからはほとんど何も述べることが出来ません。

(イタリア)ロンバルディア州からの大規模なイタリア人データサンプルに基づく最近の研究によれば、現地で見られたCOVID-19の感染の43%は無症候感染から由来するものでした。さらに、新規の感染のほとんどはロックダウンの前に発生し、同じ家庭内の無症候感染に由来していました。他の研究は、人口内に無症候感染者が優勢であることに関する似たような結論に至りました。最近の日本の感染者数のグラフは安心するようなカーブの描き方をしていますが、現在の国の疾病監視システムではまだ検出出来ていないCOVID-19の感染拡大のフェーズに日本が既に入ってしまっている可能性が強く残っています。無症候感染や発症前の件数が大半を占める中で、検査の基準からほぼ全て除外されているからです。COVID-19のスクリーニングを受けた呼吸器と関係ない理由で来院した67名の患者のうち4名(6%)が陽性であることが判明したという慶應大学病院の最近の報告はこの考えを裏付けています。渋谷氏やその他の関係者は、この慶應大学病院の件は大きいサンプルにも代表的なサンプルにもなり得ないが、有病率は非常に高く無視すべきではないと指摘しました。

既に知られている他国における無症候/症候ありの比率を元に、渋谷氏と西浦氏は二人とも、他国では20~50倍になっていると指摘した上で、実際の感染者数を少なく見積もっても日本で報告されている感染者数の10倍になると考えています。慶應大学病院での6%の有病率は過大評価だが、他のエビデンスから東京の人口の3~4%の感染率がもっともらしいと想定して、渋谷氏は「単純計算すればちょうど今何人感染しているか分かる」と述べています。1300万人を東京都の人口とした場合、3%は39万人です。ここでの述語は「もっともらしい」です。2週間前に報告された西浦教授によるモデリング結果では、厳しい対策を行わない場合、日本におけるCOVID-19の重症患者の人数は85万人、死者合計で40万人に上る可能性があると見積もっています。これら2つの見積もりは、アウトブレイクの可能性に関して一般的に認められていることです。自発的にソーシャルディスタンスを行ったり、これまで取られてきたその他の対策の効果は、相対的には不確定要素のままです。

しかし、大多数の死者はまだ明らかになっていないように見えます。検査の実施が足りないことで、関心を持っている多くの方が、単に肺炎と報告されている死が実はCOVID-19によるもので、その結果適切にカウントするのを「隠している」のではないかと疑っていると以前私達は指摘しました。沢山の疾患の種類、合併症、その他の関係要因から、インフルエンザの死亡率は通常の状況でさえ定量化することは難しいと渋谷氏は指摘します。様々な理由から、またそのどれも重複しないことから、伝染病による死はしばしば過小評価されています。インフルエンザの場合、全員に検査をすることは不可能なため、私達は代わりに死亡率の過剰分がどの程度か見積もるプロセスにしばしば頼らなくてはなりません。東京大学の研究者による最近の論文

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日本に於けるCOVID-19コロナ・ウィルス患者数が表す意味

In COVID19, featured, ニュース, 主要記事 by exporter

2020年3月24日Azby Brown著

Reiko Mori, Yoshida Suzuka, Tatsumi Baba, Ryuichi Anbo, Mami Yahiro, Momoha Koya (Furuhashi Lab., Aoyama Gakuin Univ.) 翻訳

 

先週、私はセーフキャストの一員として日本のCOVID-19コロナ・ウィルスの検査についての記事を書きました。

さて、ここCOVID-19コロナ・ウィルスに関する正確な情報の伝達が乏しく、最近では検査基準を満たしている人が検査を断られる事例が増加し、国民の間で不満や疑惑の声が挙がっています。これは政府による政策が原因ですが、検査することを重要視している韓国、台湾やシンガポールなどの国は感染者の数値が緩和し始めたのに対し、日本ではそれらの国と大幅に異なり検査数が少ない状況です。

今後一体どういうことが起こるのでしょうか?

日本国内では、普段の生活に於いて肉体的な距離を保つ傾向を筆頭に、マスクの着用や優れた衛生環境、握手による挨拶が少ない、などの要因を基にCOVID-19コロナ・ウイルスに打ち勝ったという話が最近様々な所広まってきています。セーフキャストでは「マスクの着用」や「規則正しい手洗い」は、肌の接触を減らすのと同等に重要視しており、ここまでの接触感染率の低さを保っているのは恐らくそのお陰なのではないかと思います。

しかし、学校の閉鎖や開催予定であった大きなイベントのキャンセル、そしてなるべく多くの人々が在宅ワークを行っているにも関わらず、文化的背景に基づいた日々の社会的な距離だけでは強制力がとても弱い可能性も出てきています。例えば、公園では毎日のように花見をしに来た人々で埋め尽くされ、電車も常に満員です。バーなどの飲み屋、またレストランなどの飲食店も同じ状況です。私達は今までラッキーだったのでしょうか。

その一方、感染者数は国民全般に於ける検査の不足、そして、誤った分類による単純肺炎で亡くなった方と、COVID-19コロナ・ウイルスで亡くなった方との区別が曖昧で、疑いが晴れないでいる現状も存在します。

日本の各都道府県や地方自治体は、緊急事態時には自主的に対応を行える権限を保持しています。例えば、最近のニュースでは

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COVID-19

In ニュース, 主要記事 by exporter

2020年のコロナウイルスの大発生は、9年前にセーフキャストが結成されるきっかけとなった東北地方太平洋沖地震/福島第一原子力発電所のメルトダウンと多くの点で類似しています。

私たちは今、何が起きているのか?よく理解しようと努めています。 一部は状況が非常に急速に変化しているだけでなく、透明性の欠如も原因であるため、相反する報告、政治的な情報操作、および意図的な誤情報が状況を理解するのを難しくしています。 セーフキャストは、この新しい状況で経験と努力が役立つ方法を特定しようとしています。 継続的な評価の共有に役立つ新しいニュースレターを作成しています。 毎日、いくつかの重要ポイント、COVID-19に関連する当日のハイレベルなニュース、および私たちが重要だと思うことを発信します。

セーフキャストの立場と一貫して、この複雑で急速に変化する状況をよりよく理解することを目標にアプローチするよう努めます。

セーフキャストでさらに措置を講じる際には、こちらでも発表していきます。

 …

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セーフキャストとシャトルワース財団

In センサーネットワーク, ニュース, 主要記事, 測定 by sean

[:ja]ご存知の方もいるとは思いますが、南アフリカを拠点とするシャトルワース財団 がセーフキャストを支援してくれていて、私たちの4周年イベントの開催も可能にしてくれました。シャトルワースの特別研究員の一人として(ショーン・ボナーはシャトルワース財団の一員である)、セーフキャストと同じように透明性を重んじ、世界を変える可能性を秘めたプロジェクトに取り組んでいる世界各地の素晴らしい人々と出会い、一緒に働いていることを幸せに感じています。
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Development: Real-Time Interpolation

In マップ, 主要記事 by Nick Dolezal

[:en]

Real-Time Interpolation:
A Powerful and Unique Tool
 – Overview and Upcoming Improvements – 


idw1

Above: Measurements vs. Interpolation. Left: Actual measurement data points. Right: Interpolation of those points using the Safecast app.

idw2

Above: Enabling IDW in the Safecast app for

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Safecast OS X アプリ提供開始

In ニュース, マップ, 主要記事, 測定 by sean

Mac OS Xユーザお待ちかねの、PCアプリリリースです。App Storeにてダウロードできます。SafecasterのNick Dolezalが心を込めて開発した公式Safecastアプリがをもたらす豊富なデータセット(2100万以上のデータポイント!)あなたのMacへ放射線測定機能を、そしてSafecastデータの強力かつ迅速な方法を提供します。

Safecastのフルデータセットに加えて、以下を含むさまざまなソースからのデータを閲覧することができます。

•The US Department of Energy / NNSA

(アメリカ合衆国エネルギー省/ 国家核安全保障局)

•USGS and Canadian Geological Survey

(アメリカ地質調査所 および カナダ地質調査所)

•US EPA

(アメリカ環境保護庁)

これらのデータは、福島原発事故後の福島を中心とした広範囲にわたる国内測定結果と、北米大陸のほぼすべてにわたる空間線量データやそれ以外の世界中のデータも含まれています。専用データベースには、日本ではセシウム同位体分布、米国では、天然に存在するウラン濃度分布が含まれます。

視覚化ツールを使用することにより、地図の背景や色を変更でき、複数の測定値をコントラストをつけてみることができます。ビュー(表示)をカスタマイズすることが可能で、あなたの周りで自然放射線や人工由来の放射線がどこでどれくらいの数値なのかを可視化することができるようになっています。

その他の機能:

• クエリレチクルツール:測定値の正確な数値を表示します。

• カスタムレイヤー:個別の層を組み合わせてることにより、カスタム比較を作成します。

• リアルタイムIDW補間:GIS補間スクリプトで時間(または日)を費やすことなく、測定していない地域で短時間に予測値を視覚化します。

• 高パフォーマンス:超高速のSIMDベクトル化、マルチスレッドのコードは、ほぼ瞬時にデータをレンダリングします。

• オフライン機能:データを100%オフラインで使用できます。 (注:これはベースマップには適用されません)…

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セーフキャストのウェブマップが更新されました!

In マップ, 主要記事, 放射線, 測定 by sean

私たちのGeoSenseマップのプラットフォームの不幸な活動終焉以来、ウェブユーザーが利用可能なセーフキャストデータの新しい視覚化をしていませんでした。先週、セーフキャストボランティアのNick Dozel( Safecast iOSアプリの立案者 )は、ある実験を試み、素晴らしいことにそしてそれが上手くいきました。いよいよセーフキャストデータの最新版ウェブマップを紹介できることに、胸が高鳴っています 。セーフキャストのデータを表示する際に直面した第一の問題は、データが大量であることと、データが常にアップデートされるので、それを同時に地図に反映させることがとても困難であるということでした。Nickはその問題も解決しました。ただし、これは正確な意味では「ライブビュー」ではなく、2014年5月25日時点でのセーフキャストのデータを用いて作成されています。ですから、5月25日以降に追加された新しいデータは含まれていません。このウェブマップは定期的に更新することはありませんが、現状から効率的に随時更新することになるでしょう。これは、2013年の初めにマップを作って以来の飛躍的な進歩です。

念のために。セーフキャストのiOSアプリ(無料ソフト)では、4時間前までのデータを読み込んでいますので、こちらでは常時最新のマップを見ることができます。
翻訳:Kohei Watanabe…