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日本の緊急事態に関する解説

In COVID19, ニュース, マップ, 論説 by azby

2020年4月8日、アズビー・ブラウンによって公開

昨日(4月7日)、ようやく安部総理大臣によって、東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡を対象とした緊急事態宣言が出され、日本のCOVID-19パンデミックへの対応は新たな局面に入りました。多くの人が指摘するように、この新たな「封鎖(ロックダウン)」は諸外国で実施されているような法的強制力を持ったものではなく、自宅待機の要請に従わなくても罰則が課せられることはありません。

現在の日本の法制度では、そのような強制的な指令を施行することはほぼ不可能なのです(第二次世界大戦前、および戦時中に国全体が非常に無意味な自己犠牲を強いられたからなのですが)。その代わり、政府は来月に向けて、これまでの要請よりも広範囲にわたる社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンス)を自主的にとるよう求めています。スーパーマーケット、コンビニエンスストア、診療所や病院、ホテル、製造業などの「必要不可欠」と見なされるサービス業は、引き続き営業するように求めていますが、バーやクラブ、ライブハウス、カラオケなど大人数が集まる場所は避け、外食しなければならない場合は大人数での利用を避けるよう、引き続き呼び掛けています。奇しくも、公衆浴場は営業を継続するよう求められているようです。都内の映画館、博物館、図書館、デパートなどの多くの公共施設は、先に受けたソーシャル・ディスタンスの要請に応じて、すでに一時的に閉鎖されており、今後も営業停止を継続するよう求められるかもしれません。そうは言っても、誰かに何かを強制することはできず、また、要請を拒否することもできるのが現状です。現在のところ、この命令が適用されるのは国内43都道府県のうち7県(正確には1都1府5県)にのみ限定されています。憂慮すべきことに、緊急規制を回避するために東京から多くの人が圏外に脱出したとの報告も多数受けています。中国やイタリアなどでは、部分的な閉鎖を行ったものの旅行者を効率的に監視しなかったため、感染者たちが国内外に新たな集団感染の種を拡散させる結果となり、事態を計り知れないほど悪化させました。

新たな非常事態宣言に含まれる7つの都道府県。出典:NHK

安倍総理大臣は、「私たち全員が努力して人と人との接触を70%、できれば80%減らすようにすれば、感染症の増加は2週間後にピークを迎え、その後減少に転じるだろう」と言及しています。この発言内容に関しては不確かな部分も多く、特に自主的に要請に応えるというのは、今までのところ日本でもちらほら見受けられました。数週間前に、もっと強力で拘束力のある措置が講じられ、より強制力のあるメッセージを訴えてくれていたならば、と私たちは思うのです。

Agence France Presseの編集者リチャード・カーター氏がツイートしました:

一方、2011年3月の大震災後、日本人は必要なことと判断すれば、不便な緊急措置であっても容易に協力してきました。 2011年には、店舗の照明を半減させたり、駅やビルの外壁のイルミネーション広告を消し、エスカレーターを停止させたり、家庭での消費電力を抑えたりなど、全国的に広がった自主的な省エネ(節電)のおかげで、全体の電力消費量は約2割減少しました。自主規制(自粛)は、お祝いごと、その他の大規模な懇親会、一般的な贅沢などを自粛するよう求められ、人々はそれに従ったのです。

これはある意味、緩やかな犠牲が求められたという最近の前例と言えるでしょう。数日前、TBSが発表した世論調査の結果によると、約80%が緊急宣言の発令に賛成していました。しかし、実際に人々は従うのでしょうか? 一週間後には分かることですが、政府は足固めに必要な準備を整えていないようですし、国民とのコミュニケーションも図れていないように思います。これには追加として、無料託児所の提供や自宅待機しなければならない従業員とその雇用者への助成金、オンラインでの書類提出を困難にする官僚的規制の緩和などが含まれます。多くの企業、大学などでは、今でも大半の従業員は、紙の書類に印鑑を押すために現場に立ち会う必要があります。現在、健康への危機が懸念される中、このような行為は野蛮とも言えます。諸々の関連支援策について話し合いが持たれ、約束されていますが、どれも実施されるに至っていません。先週の日曜日、シンガポール政府は、感染症の「第二の波」(現在、香港でも経験していること)に対応するため、非常に強力な拘束力のある対策を発表しまました。これらのガイドラインは、メディアだけでなく、政府による広報チャネルを使って明確に伝えられており、ベストプラクティスと捉えるべきでしょう。

4月6日現在の日本の症例データ。出典:NHK

3月下旬以降、東京を筆頭に日本全体でCOVID-19の感染者数は明らかに増加しています。これは、3週間前にさかのぼりますが、中途半端な形でソーシャル・ディスタンスを公式に要請したにもかかわらず、お花見で大勢の人が公園に集まり、お互いに感染したのが原因ではないかと大かた意見が一致しています。重要な点が不明確なままで、中央政府によるコミュニケーションへの取り組みは依然としてお粗末ですが、日本でのデータの公開状況はここ数週間で全体的に改善しています。東京都の多言語版COVID-19 ウェブサイトは、政府が提供してきたものよりもはるかに明確で有益な公式情報源となっています。今日現在(4月8日)、東京都の陽性者数は1196人で、2週間前から急激な増加傾向にあり、先週末には1日あたり100人を超える新規感染が発生しました。その後2日間でやや減少し、今日は144例に達しています。現在、全国で累積陽性者数が4480人を超えました。4月6日の感染者数は241人でしたが、4月3日以降は、連日300人を超える感染者数が報告されています。非常によく運営されている独立型のバイリンガルサイト、Japan COVID-19 Coronavirus Tracker,(日本新型コロナウィルス・トラッカー)は、都道府県ごとの詳細なオープンデータベースを提供しており、日本での検査済み症例数データに関して信頼できる情報源になっています。

出典:Japan COVID-19 Coronavirus Tracker (日本新型コロナウィルス・ストラッカー)

以前の記事で述べたように、多くの人々は日本での大規模な検査が行われていないために、COVID-19の実際の症例数や感染率が著しく過小評価されていると結論づけています。昨日のワシントン・ポスト紙に引用されていた、ロンドンのキングスカレッジ・ポピュレーションヘルス研究所所長の渋谷健司教授によると、「遅すぎる・・・。東京はすでに爆発的な感染者数増加の段階に入っており、医療崩壊を止めるためには一日も早く首都封鎖を実施しなければならない」と語っています。渋谷教授は、この1週間での急激な感染者数の増加は、日本の限られた検査戦略が失敗していたことを示す明らかな証拠であり、検査と発見の規模が大きくなればなるほど、そのことがより明白になるとの見解を示しています。

日本での検査数は増加していますが、発生曲線の平坦化に成功したどの国よりもはるかに遅れをとっています。数日前、首相は検査能力を1日あたり7,500人から2万人に拡大すると発表しましたが、いつ頃から実施可能となるかに関しては言及しませんでした。4月7日現在、日本では合計5万5311人が検査を受けていますが、ほぼ毎日検査が実施されていることを考慮すると、現在公表されている1日7,500人の検査能力の半分以下しかないことになります。これとは対照的に、ドイツでは週に50万人が検査を受けています。

日本では他の国と同様、肺炎のような呼吸不全による死亡者全員に対し検査を実施していないため、COVID-19の症例数が過少報告されている可能性があります。逆に、すべての死亡症例がCOVID-19に起因するという分類法は、世界的に広く行われているのですが、これはCOVID-19に起因する死の過大評価につながりうるとして批判されています。しかし、多くの国では、通常の季節性インフルエンザに罹患している間に死亡した人々は、健康上、他に問題があったとしても、インフルエンザによる死亡として記録されていることが指摘されています。特に問題視されるような慣行ではないのかもしれませんが、感染症例の重症度を追跡する上で、この意味合いを念頭に入れておく必要があります。全体として、パンデミックの規模や拡大を過小評価することの方が、過大評価することよりも公衆衛生上のリスクははるかに大きいことは明らかです。

日本のCOVID-19症例の重症度内訳。出典:NHK

日本政府や医療専門家の間では、現在のペースで重症患者数が増え続けると、集中治療室の病床が十分に確保できなくなるのではないかという深刻な懸念が上がってきています。人口10万人当たりのICU病床数の割合は、他の多くの先進国に比べてはるかに低いからです(日本は10万人当たり5床、イタリアは12床、ドイツは約30床)。この単独サイトでは、各都道府県のICUベッドの空き状況の現状を示しています。東京都を含む、少なくとも5つの都道府県では、COVID-19の症例数はすでにICU病床数を上回っています。 NHKによると、COVID-19感染者のうち、ICUでの治療が必要なほど重症化した症例は4%程度にとどまっていますが、重症化した症例がICUのベッド数を上回る可能性が出てきているとのことです。

これを受けて、政府は軽症患者が利用できるよう、東京に約10,000室、関西に3,000室、東京オリンピック村に800室を提供するとの協力をホテルから得たと報告されています。昨日から東京都中央区のホテルに患者の移動が始まりました。 3月24日にお伝えしたように、それまでCOVID-19の数値が比較的低く抑えられていたのは、マスク着用や手洗いなど日本人の様々な生活習慣のおかげだと多くの人が信じていますが、単純に運も一役買っていたのではないかと感じます。では、今後どうなるのでしょうか? 日本は引き続き幸運に恵まれ続けるかもしれません。現在の陽性患者の急増は異常だと分かってくるかもしれないですし、新たな自主的措置は、感染者急増の芽を摘み取るのに十分なほど受け入れられ、広がっていくかもしれません。しかしながら、現在の緊急事態宣言発表に影響を与えたとされる最近の調査では、無視してはならない悲惨な最悪のシナリオも想定されています。自主的措置を要請しても、自宅からの外出を60%以上を削減できなかった場合、ICUのキャパシティ不足によって、4月26日頃に医療システムが崩壊し、50万人が死亡すると著者は結論付けていました。 その一方で、3月2日以降の学校閉鎖により、子どもの接触頻度が40%減少し、2月27日以降の自主的なイベント中止により、大人の接触頻度が50%減少したことを示す未発表の研究に言及しており、外出を60%を減少させることができると期待しています。

あらゆる研究に言えることですが、全てが正確ということはありえませんし、不確実性が内在する中国のデータを基にしているので、このモデルはあくまでも基本的な想定をしているだけに過ぎません。首相は来月から1ヶ月間、ソーシャル・ディスタンスを7、8割減らすように国民に要請しています。しかし、企業が経済的苦境に陥ることなく、従業員が自宅に留まることを認める明確な補償がなければ、これらの目標を達成するのは難しいと言えるでしょう。世界の他の地域で実施されているように、日本でも数週間前から、もっと強制力、拘束力のある措置を講じて、より強力なメッセージを投げかけていたならば、もう少し効果をあげることができたのではないでしょうか。今のところ、私たちは運に頼り過ぎてしまっているようです。…

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COVID-19に関するベストプラクティス

In ニュース, 論説 by sean

202033Sean Bonner &Azby Brown

COVID-19コロナウイルスの世界的な広がりとその反応を観察すると、ちょっとしたデジャヴを感じずにはいられません。
セーフキャストが20113月に始まって以来、私たちは信頼、危機コミュニケーション、一般の認識、そして信頼できる情報の不足に脅かされて、自分達の手で問題に取り組み始めたときに何が起こるかについて、重要な経験と洞察を蓄積してきました。 その学習の一部は、今日の状況において役立てることができます。
すべての人にとって相互に有益な結果に向けた努力により、私たちは我々自身の経験からいくつかの高いレベルのベストプラクティスを共有しています。
(注意:ウイルス学や疫学ではなく、コミュニティと環境モニタリングに関する専門知識です。この記事の最後に、信頼できる専門家と情報源のリストを集めました。)

政府へのアドバイス

  • 透明性の重要性. 今日、人々を誤解させることが、明日の有益には結びつきません。逆に、正直は、狂ったように将来に報いることができるでしょう。

  • 安全第一。短期的な政治的利益のために、有権者の長期的な健康を危険にさらさないでください。人々が病気にならないようにすることは、党派的な問題であってはなりません。

  • 信頼は再生可能なリソースではない。今はもう1920年代ではありません。
    人々は信頼できる多くの情報源を持っています。もし彼らがあなたを信頼できると感じないなら、彼らは単に他の場所を見て、振り返らなくなるでしょう。

  • 効果的なメッセージングの重要性。熟練した最高の危機管理者を頻繁に公式の場で話させることです。もし政治家がメディアに出演する必要が場合、専門家以外は懸念の簡潔な表現に限定されるべきであり、その後、すぐに専門家に説明の役割を託すべきです。専門家が、政治家が言ったことをすぐに修正したり、矛盾したりするような状況に置かれないようするべきです。

  • 旅行の禁止、検疫、および学校の​​閉鎖は、非常に破壊的な手段
    影響と停止するタイミングを決定する難しさを熟考ことなく制定すべきではありません。これらの実施の特定の条件および旅行禁止またはその他の閉鎖を終了することは、説明される前に事前に国民に対して、慎重に明示されるべきです。

メディアへのアドバイス

  • 確認されていないスクープの公開を急ぐ衝動を抑えてください。 誤情報ははるかに速く広がり、事後の修正を行っても情報は残ってしまいます。

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Safecast Code

In FAQ, ニュース, 論説 by sean

We’ve been thinking about what describes the Safecast project as a whole, and came up with a list of 10 things that we try to incorporate into all of our efforts. This is something like our code of conduct, what …

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「安全ですか?」は、そんなに難しい質問でしょうか?

In FAQ, 主要記事, 放射線, 論説 by kalin

Top or bottom? Safe or not?

私達のもとにはinfo@safecast.org宛やセーフキャストグループを通じてつながりを持った人達からたくさんの質問が寄せられます。みんな放射線のあらゆる面について理解しようとしています。
そして、もちろん、多くの人が似たような質問をしますが、疑いなく最も頻繁に聞かれる質問は「~~は大丈夫?(安全ですか?)」 といった類のものです。 信じられないかもしれませんが、私たちの放射線FAQのページには答えが準備されているにもかかわらず みんな質問し続けるのです。

最近、九州で数ヶ月過ごす予定だった人から当地での汚染について質問がありました。彼は放射線レベルについての情報を得、現在の放射線レベルは3.11以前よりも高いと最終的に結論づけました。
彼はそれがセシウムやストロンチウム汚染によるものなのか質問しました。実際、彼は別々に収集された異なるデータセットを比較していました。 私は彼にユーザが矛盾のない測定データを全国にわたって自由にダウンロードでき、時間の経過に伴い変化を比較することができる DPNSNNEを教えてあげました。そのデータによると九州における空間線量レベルは(原発)事故の前後で全く同じであることが示されています。 フォーラムやメーリングリストでしばしばあることですが、いったん質問に対する返答があると、議論は(自然に発生している)ラドンと(人口の)セシウムやストロンチウムの危険性の違いにシフトします。

そして、すぐにラドン、セシウム137、ストロンチウム90の半減期(一定量の放射性同位体が半減するのにかかる時間)についてのデータが“証拠”として俎上に載せられ、半減期と生物学的な半減期の違いについて議論がされ、その結果、質問は以下のことに形を変えてしまうのです。

  • セシウム134/137は生物学的半減期(70日で体内から半分が消滅する)、ストロンチウムは18年間であるのに対してラドンの半減期はたったの4日であるため、ラドンは他とくらべて危険が少ないのではないか?

私はこれについてよく考えてみましたが、次のような例を上げることで説明できるのではと考えました。その例とはこのブログポストにまとめられた例のことです。(ここで私のとりとめのない書き物を外に出すように促してくれたアズビー、ジョー(JAM)、そしてみんなに感謝したいと思います。)…

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グローバルサーベイ株式会社による観測、100万地点を突破!!

In ニュース, 主要記事, 論説 by azby

Safecasters Joe Moross (far left) and Pieter Franken (far right), flanking GLC’s bGeigie team.

グローバル・サーベイ株式会社(略称「GLC」)は、2005年より日本の道路の地図化をおこなってきました。彼らのデータは相当数の特別なアプリケーションと同様、多くのカーナビゲーションシステムにも使われています。例えば、2009年より、同社は電磁波の強さを測定し、地図化することで、顧客がラジオ放送用アンテナやワイヤレスLANの最適配置できるように、また、携帯電話事業者の位置の正確性を改善してきました。つまり、GLC社にはすでに不可視の環境データの収集経験があったというわけです。

GLC website

きっかけは、幸運にも、2011年8月にプロジェクトへの物質的な援助もしてくださった慶応大学の村井純教授チームメンバーの古谷知之教授が、セーフキャストにGLCに紹介してくれたことです。その年の9月初めまでにGLCはbGeigieを道路地図化に着手し、すぐにもう2台を依頼されました。1年間の間、3台のbGeigieで得た結果は非常に素晴らしく、私たちは2012年12月にもう10台を提供しました。GLCは最近、100万地点の測定記録を突破し、セーフキャストの中でもダントツに豊富なデータ収集ボランティアとなりました。私たちは彼らが放射線データを収集にかけてくれた時間と努力にとても感謝しています。

このプロジェクトのGLCの窓口である、中島栄則さんは「3/11以降、日本のとても多くの人が窮地に陥り、私たちの会社でも、何かをしたいと思っていました。私たちがセーフキャストのbGeigieシステムのことを聞いた時、非常に感銘を受けました。誰でも車に搭載するだけで使えるのです。私たちは支援できたことをとても嬉しく思っています。」

bGeigieを搭載したGLCの計測車両

GLCによれば、日本の主要道路全てを年に3回計測しようとしており、残りの道路についても少なくとも年に1回は計測しようとしているとのことです。所有車14台のうち、7~8台は常に走行しています。多くのbGeigie装備の車が絶えず縦横無尽に走っていれば、GLCはじきにセーフキャストに対して、月間50万ポイントの測定値を提供できると想定しています。
そうなったら、私たちは皆「ヤッター!!!」と言います。…

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スタンフォード大学での Medicine X カンファレンスにてSafecastのプレゼンテーションを実施

In Events, 論説 by sean


本日9/30、スタンフォード大学で開催された Medicine Xカンファレンス(9/28-30開催)にて、Safecastについてプレゼンテーションを行いました。スライドを取り違えたり、言いたかったことを全て伝えられたかはわかりませんが、講演後に数名の方からプレゼンテーション資料をオンラインで見れないかとの要望をいただいたので、参考資料として投稿したいと思いました。

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Safecasting Fukushima Live Report

In 主要記事, 論説 by Pieter

Today we are Safecasting from Tokyo to Minami Soma, Fukushima. Driving today are Joe and Kalin with self in the back seat handling communications (ahem)


Today’s goal is to measure a hotspot we recently found on our map in Minami …

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Safecastの放射線量セミナー in いわき市

In 論説 by sean

This is a guest post written by Ryuichi Mori, ex vice chairman of Dentsu and Advisor to MIT media lab.

私は3月1日、Safecast Japan のPieter さんとJoeさんにお願いして、福島のいわき市で、放射線量のセミナーを開催していただきました。福島県は、津波で漁業が壊滅。追い打ちをかけるのが、原発事故です。福島産の魚の市場は事実上消滅してしまいました。多少の放射線量の減衰は、市場の復活には程遠く、漁に出るのを控える毎日が、今でも続いています。
魚や野菜の放射線量を測ることは出来ますが、仮に線量を毎日計測したとしても、福島のどこかで線量の高い野菜や魚が出現すると、市場全体で、県産の産物が販売困難な状況になってしますのが現実です。風評被害も出てきます。また生ものの放射線量を測る計測機は、非常に高額で、いつでも、どこでも、誰でもが計測することには、大きな壁になっているようです。
販売者も無く、購買者も無いとなると、漁には出られません。
それでも、何時海に出漁出来る日がくるのか、坐して待つしか無い深刻な状況がそこにはあります。
放射線量を計測することは、直接的にその問題の解決策にはなりませんが、毎日継続して何か所もの線量を計測し続けることで、ある判断の基準を作ることはできるのではないでしょうか。また魚の線量を計測するもう少し安価なカウンターが開発されれば、毎日色々な魚の線量を測り、毎日公表することで、市場、消費者に客観的な指標を提示できるようにもなるのではないでしょうか。風評へのカウンターデータを地道に示していくことも今のような出口のない状況を、少しでも展望のある方向へ導くことができるのではないでしょうか。
そんな問題意識で、いわき市へ出かけました。勿論動機は、Safecastの活動が、粛々と広域のありとあらゆる道路の線量を計測する活動を繰り広げていることに、刺激を受けたからです。
Safecastの活動をいわきの人々と共有したかったからです。
地元の新聞社の小磯さんの協力で、駅前の会議室を借り、新聞でも募集記事を書いていただき、定員一杯の30名の聴講者で開始されました。
約1時間のPieterさんの講演に続き、質疑応答に一時間。
熱心で専門的な質問が相次ぎ、充実したセミナーになりました。参加者の放射線量に関する知識の正確さ豊富さには、本当に感心しました。
Safecastの活動の大切さについても、理解が深まりました。参加者もSafecast側も共通の認識に達した大切なポイントは、出来るだけ多くの地点の線量データーを測り続けること、そのデーターを公表し、誰でもいつでも何処でも見ることができること、その結果一過性のデータに一喜一憂することなく、冷静な判断をする姿勢が育つことなどでした。
そして最後に生ものの線量を計測できる安価な線量計が、一日も早く開発され、漁業関係者へ台数が供給されるよう努力をするという視点も提起されました。データーが毎日市場へ示されて、安心して福島の港へ毎日魚が水揚げされる日が、一日も早く来ることを祈る気持ちは、参加者全員の思いであったことでしょう。
Safecastの活動は地味ですが、今のような原発被害の閉塞状況を
抜け出すための、策のひとつであり、大きな解決の一歩であることを認識した一日でした。 森 隆一…

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SeabrookでのSafecastの活動

In 主要記事, 測定, 論説 by sean

今年の初めに、私たちは世界中で放射線を監視している一番古い市民グループの中の1つであるC-10の仲間の何人かと会えるという喜ばしいことがありました。1986年に設立され、ニューハンプシャー州のSeabrook Station (シーブルック・ステーション)原子力発電所に関連した健康や安全の問題について調べる活動をしており、小さなセンサーネットワークをこの活動にささげています。彼らは彼らの歴史を共有してくれて、私たちの努力について励ましてくれました。

私たちの多くの注意が日本、特に福島にある(当然そうなりますが)一方で、私たちはまだ問題が発生していない地域のこの種のデータが必要なことを理解してきました。私たちは今は福島から集められていますが、今年の事故の前のある時点でのこの種のデータがあれば、何がどのように起きたかについてより多くのことを知ることができるでしょう。この理由により、私たちは機会があれば他の地域についても測定をする活動を進めてきました。最近、Safecastのアドバイザーである Ray Ozzieが新しく開発したbGeigieとともにSeaBrookのそばに行き、発電所の周りを車で周回することを決め、私たちのデータベースに測定結果を追加しました。これが彼が測定した地点の地図です。

 Rayによる追記:

  車で周回した際に撮った写真をいくつかここに掲載します。この写真を撮ったときが肌寒い11月のある日であることを考えるとウィンドサーファーがフレームの中に飛び込んできたことに少し驚きました。またこの地域は、地元のロブスターや二枚貝の漁場としても有名です。

マップ [bing | google] を拡大してOcean Boulevard(オーシャンブールバード)の遊歩道にフォーカスをあててみると、夏大勢の人が遊んでいるビーチから発電所がどのぐらい近いかが
分かると思います。それゆえ、市民が常に信頼性できるオープンなデータを入手
できることが大切です。

過去にアクセスできなかったデータとともに、人々に環境についての情報を提供することはSafecastのミッションの一部であることを示すのにはいいタイミングです。私たちは皆いつも私たちの生活に重大な影響をもたらす可能性のあることに取り囲まれており、このことにより意識を持つことが事態をよくする唯一の方法です。…

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オーストリアのアーツエレクトロニカに参加

In 論説 by sean

 先月、我々は幸運にもオーストリアのリンツで毎年開かれているアーツ・エレクトロニカ・フェスティバル(Ars Electronica festival)に招待されました。セーフキャストのことや使っている測定器について紹介するためにです。
 Joi Ito、Pieter Franken、そして私(Sean Bonner)が参加し、iGeigie の試作品や bGeigie の実機を展示しました。セーフキャストの活動や成果、目標に関して何度か話す機会を持てました。
 非常に有用な人たちと知り合うこともできました。その成果をまもなくお見せすることが出来るでしょう。

 ピーターがフェスティバルで撮影した写真をご覧ください。

 発表や展示に関する動画も以下にあります。…

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ソウルと香港でのセーフキャスティング

In 放射線, 論説 by the_STIG

日本の放射線レベルは、(まだ)原発事故をおこしていない近隣諸国よりも、高いのか、同じか、低いのか、どうなんだろう?

その謎を探るため、韓国・香港への出張のトランクにガイガーカウンター(bGeigie)を入れていった。

9月23日、ソウルの仁川(インチョン)空港に到着。
空港に迎えに来てくれた仕事仲間に会うとすぐに、車の窓に bGeigie を付けていいか聞いてみた。彼は驚いたけども同意してくれ、すぐさま仁川からソウル中心部の東大門までの1時間半のドライブが始まった。

セーフキャスティングの地図で見られるように、仁川空港を出るとすぐに 99CPM (0.283マイクロシーベルト毎時)だったが、ソウル中心部では、より安全な40CMP~50CPM(0.114~0.253マイクロシーベルト毎時)であった。仁川の放射線レベルは、千葉のホットスポットよりちょっと低いくらいだったが、ソウルの繁華街では東京の中心部での測定結果と同じ程度だった。ソウルの平均的な放射線レベルは、東京よりもほんの少しだけ高い程度と思われるが、大差はない。放射能という点で、ソウルを訪れるのは安全だろうか?

ソウルの中心街を移動する際に、インスペクターを使って1メートルの高さで何ヶ所か測ってみたが、だいたい0.14~0.15マイクロシーベルト毎時であった。

9月26日のお昼頃、日差しの強い香港に到着。…

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セーフキャストの車両

In 論説 by Pieter

幸いにもここ数ヶ月、セーフキャストは自分たちの所有する車で測定することができるようになりました。1999年以来、日産ウィングロードが一番良く使われて来ましたが、この新しい車は、他のセーフキャストの車両と同じく真っ赤な色をしています。

福島でのセーフキャスティング ~岩城から郡山の途中で~

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富士山からのセーフキャスト

In 主要記事, 移動測定報告, 論説 by the_STIG

8月25日から28日まで、富士山周辺へ車で家族旅行へ出かけて来ました。泊まりは富士山の周りの富士五湖や箱根の近くのペンションです。
東京の世田谷区下北沢の自宅から出発する際に、セーフキャストのbGeigieを装備していきました。bGeigieには、MedComのInspector(ガイガーカウンター)、GPS、データを記録するSDカードなどが内蔵されています。
つまり、このbGeigieでは、別途PCを用意する必要はなく、ほとんどの作業は自動で行われれるのです。(ただし、データを記録したSDカード内のファイルをセーフキャストにメールで送ることは別ですが・・・)

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福島で過ごした日曜日

In マップ, 主要記事, 測定, 移動測定報告, 論説 by sean

「セーフキャスティング」と私達が呼ぶ走行測定が正式に始まったのは、私が前回日本を訪れた後でした。このため、どんどん増え続けるボランティアの皆さんとピーター(彼らは真のヒーローです)が、何度も時間をかけて福島原発周辺や日本各地の放射線レベルを計り、地図にしていく作業を、私は遠くから見ていました。私自身 Safecast のミーティングと放射線セミナーのために東京に戻るということ、また、同時期に Miles O’BrienXeni JardinPBS News Hour の Safecasat に焦点を当てたストーリーに取り組むことも知っていたため、来日中に走行測定を行うことは当然だと思っていました。

Me, @xenijardin & @noktonlux heading to Fukushima. #safecast

今朝、ピーター、Xeni と私(上写真)は、Miles、父と息子のスーパーチームである Joe Moross、Bryan Moross と一緒に出発しました。今回の旅の目的は、ボランティアの方達にガイガーカウンターを届けること、まだ放射線レベルを測定していない新しい場所、できれば警戒区域の近くをカバーすることでした。しかし結果的にこれより盛りだくさんの旅となりました。…