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異業種へセーフキャストの取り組みを紹介 - 日本医療政策機構 クロス・ディスカッション

In ニュース by naozumi

3月14日、日本医療政策機構主催の『他領域と医療のCross Discussion シリーズ』として、SAFECASTの取り組みをディレクターである、ピーター・フランケンが講演しました。
東京駅近くのカフェを会場にした朝8時スタートのイベントに、日本医療政策機構代表理事の黒川清先生をはじめ、大学生や出勤前の会社員等数多くの方々がピーターの話を聞きに集まりました。

Health and Global Policy 1

ピーターは、当初、測定デバイスがなく自分たちでデバイスを作ることにしたことや、国や放送局が測定データに著作権をもっていてデータを活用出来ないといった、苦労話を交えながら、今日までのSAFECASTの取り組みについて語りました。
作成したデバイス用いてボランティアや協力してくださる方々に放射線量を測定してもらい500万箇所を超える測定データを収集できており、今なお測定データが増えています。また、収集したデータをCC0(クリエイティブ・コモンズ)のパブリック・ドメインの下、インターネット上で公開し誰もがアクセスできるようにしているのも特長のひとつです。世界で唯一成功し運営されている放射線センサーネットワーク構築のリアルな経験談に、参加者達は熱心にメモを取りながら耳を傾けていました。

また、今後の取り組みのひとつとして、放射線測定と同様に、大気の品質測定にも取り組み始めていることにも触れました。講演会前の日曜日、東京をはじめ関東地方の一部では煙霧(乾いた微粒子により視程が10km未満となっている状態)が発生したこと、また、海外でのPM2.5による大気汚染報道等により、出席者の中でも放射線以外の環境データについての関心も高かったようです。

質疑応答において、SAFECASTの経験から、プロジェクトの進め方へのアドバイスを求められた際、ピーターの「考えているばかりでなく、方向性を決めて行動をおこすこと。修正などはあるかもしれないが、まず、行動をおこすことが大事」という言葉は、参加者の心に強く残ったのではないでしょうか。

Health and Global Policy 2

今後も、ひとりでも多くの方々にSAFECASTの活動を知っていただけるよう、様々な機会を通じて情報発信していきたいと思います。

新井利幸…

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bGeigie Nano Kit(bガイギー・ナノ・キット)発売開始

In Hardware, センサーネットワーク, 主要記事, 放射線, 移動測定報告 by Pieter


Safecast(セーフキャスト)が常に直面していた問題は、デバイスに限りがあるため、計測値の収集に制限があることでした。bガイギーのデザインは素晴らしいのですが、1つにかかるコストが1000ドルもする上、作るのに相当の時間も必要です。(1つのデバイスを作るのに丸々1週間はかかる。)そのため、限られた台数しか使えないという状況が続いていました。また、今や私達の周囲には、bガイギーを使いたいという人は数多くいて、その数は実際の台数をずっと上回っていました。
この問題を解決するために、私達はbガイギー・ナノを作り、さらにbガイギー・ナノ・キットを開発しました。ご想像の通り、ナノとは小さいバージョンで、持ち運びが便利にな上、従来のbガイギー以上の機能を搭載しています。
多くのSafecastのチームメンバーもナノを持ち、持ち運んでいます。コンパクトサイズなので、移動の負担にもなりません。

さらに重要なのは、ナノが自分で組み立てられるキットだということです。
もしはんだ付けの方法を知っていれば、ナノ・キットを一晩で作り(はんだ付けは10分で習えます。)、翌日からセーフキャスティング(Safecastの造語で、放射線計測をし、データをアップロードすること)することもできます。bガイギー・ナノ・キットを使って個々のポイントの計測もできますし、車に搭載して運転しながらジオタグ付きの放射線データを収集し、セーフキャストサイト内にあるアップロードページからデータアップすることもできます。使用法は通常のbガイギーと全く同じです。
ハードウェアもソフトウェアもデザインは通常のセーフキャストの方針通り、オープンソースですので、皆さんが自分で部品を買って作ることもできます。
しかし、今回、皆さんが自分で簡単に組み立てられるよう、キットとしてインターナショナル・メドコム社と共同で開発しました。bガイギー・ナノ・キットは1台450ドル(日本販売価格未設定で発売。)で、先着順で販売となります。
ご希望の方は、フォームにご記入ください。

他の写真や技術詳細はジャンプ後

[写真は Pieter Franken 撮影]

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Internews highlights the work of Safecast

In ニュース by azby

Internews, an international non-profit formed in 1982 with a mission to empower local media worldwide, has been doing important and groundbreaking work in areas such as medial law and policy, expanding access to information, and delivering innovative media solutions. The …

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「安全ですか?」は、そんなに難しい質問でしょうか?

In FAQ, 主要記事, 放射線, 論説 by kalin

Top or bottom? Safe or not?

私達のもとにはinfo@safecast.org宛やセーフキャストグループを通じてつながりを持った人達からたくさんの質問が寄せられます。みんな放射線のあらゆる面について理解しようとしています。
そして、もちろん、多くの人が似たような質問をしますが、疑いなく最も頻繁に聞かれる質問は「~~は大丈夫?(安全ですか?)」 といった類のものです。 信じられないかもしれませんが、私たちの放射線FAQのページには答えが準備されているにもかかわらず みんな質問し続けるのです。

最近、九州で数ヶ月過ごす予定だった人から当地での汚染について質問がありました。彼は放射線レベルについての情報を得、現在の放射線レベルは3.11以前よりも高いと最終的に結論づけました。
彼はそれがセシウムやストロンチウム汚染によるものなのか質問しました。実際、彼は別々に収集された異なるデータセットを比較していました。 私は彼にユーザが矛盾のない測定データを全国にわたって自由にダウンロードでき、時間の経過に伴い変化を比較することができる DPNSNNEを教えてあげました。そのデータによると九州における空間線量レベルは(原発)事故の前後で全く同じであることが示されています。 フォーラムやメーリングリストでしばしばあることですが、いったん質問に対する返答があると、議論は(自然に発生している)ラドンと(人口の)セシウムやストロンチウムの危険性の違いにシフトします。

そして、すぐにラドン、セシウム137、ストロンチウム90の半減期(一定量の放射性同位体が半減するのにかかる時間)についてのデータが“証拠”として俎上に載せられ、半減期と生物学的な半減期の違いについて議論がされ、その結果、質問は以下のことに形を変えてしまうのです。

  • セシウム134/137は生物学的半減期(70日で体内から半分が消滅する)、ストロンチウムは18年間であるのに対してラドンの半減期はたったの4日であるため、ラドンは他とくらべて危険が少ないのではないか?

私はこれについてよく考えてみましたが、次のような例を上げることで説明できるのではと考えました。その例とはこのブログポストにまとめられた例のことです。(ここで私のとりとめのない書き物を外に出すように促してくれたアズビー、ジョー(JAM)、そしてみんなに感謝したいと思います。)…

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グローバルサーベイ株式会社による観測、100万地点を突破!!

In ニュース, 主要記事, 論説 by azby

Safecasters Joe Moross (far left) and Pieter Franken (far right), flanking GLC’s bGeigie team.

グローバル・サーベイ株式会社(略称「GLC」)は、2005年より日本の道路の地図化をおこなってきました。彼らのデータは相当数の特別なアプリケーションと同様、多くのカーナビゲーションシステムにも使われています。例えば、2009年より、同社は電磁波の強さを測定し、地図化することで、顧客がラジオ放送用アンテナやワイヤレスLANの最適配置できるように、また、携帯電話事業者の位置の正確性を改善してきました。つまり、GLC社にはすでに不可視の環境データの収集経験があったというわけです。

GLC website

きっかけは、幸運にも、2011年8月にプロジェクトへの物質的な援助もしてくださった慶応大学の村井純教授チームメンバーの古谷知之教授が、セーフキャストにGLCに紹介してくれたことです。その年の9月初めまでにGLCはbGeigieを道路地図化に着手し、すぐにもう2台を依頼されました。1年間の間、3台のbGeigieで得た結果は非常に素晴らしく、私たちは2012年12月にもう10台を提供しました。GLCは最近、100万地点の測定記録を突破し、セーフキャストの中でもダントツに豊富なデータ収集ボランティアとなりました。私たちは彼らが放射線データを収集にかけてくれた時間と努力にとても感謝しています。

このプロジェクトのGLCの窓口である、中島栄則さんは「3/11以降、日本のとても多くの人が窮地に陥り、私たちの会社でも、何かをしたいと思っていました。私たちがセーフキャストのbGeigieシステムのことを聞いた時、非常に感銘を受けました。誰でも車に搭載するだけで使えるのです。私たちは支援できたことをとても嬉しく思っています。」

bGeigieを搭載したGLCの計測車両

GLCによれば、日本の主要道路全てを年に3回計測しようとしており、残りの道路についても少なくとも年に1回は計測しようとしているとのことです。所有車14台のうち、7~8台は常に走行しています。多くのbGeigie装備の車が絶えず縦横無尽に走っていれば、GLCはじきにセーフキャストに対して、月間50万ポイントの測定値を提供できると想定しています。
そうなったら、私たちは皆「ヤッター!!!」と言います。…