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Safecast OS X アプリ提供開始

In ニュース, マップ, 主要記事, 測定 by sean

Mac OS Xユーザお待ちかねの、PCアプリリリースです。App Storeにてダウロードできます。SafecasterのNick Dolezalが心を込めて開発した公式Safecastアプリがをもたらす豊富なデータセット(2100万以上のデータポイント!)あなたのMacへ放射線測定機能を、そしてSafecastデータの強力かつ迅速な方法を提供します。

Safecastのフルデータセットに加えて、以下を含むさまざまなソースからのデータを閲覧することができます。

•The US Department of Energy / NNSA

(アメリカ合衆国エネルギー省/ 国家核安全保障局)

•USGS and Canadian Geological Survey

(アメリカ地質調査所 および カナダ地質調査所)

•US EPA

(アメリカ環境保護庁)

これらのデータは、福島原発事故後の福島を中心とした広範囲にわたる国内測定結果と、北米大陸のほぼすべてにわたる空間線量データやそれ以外の世界中のデータも含まれています。専用データベースには、日本ではセシウム同位体分布、米国では、天然に存在するウラン濃度分布が含まれます。

視覚化ツールを使用することにより、地図の背景や色を変更でき、複数の測定値をコントラストをつけてみることができます。ビュー(表示)をカスタマイズすることが可能で、あなたの周りで自然放射線や人工由来の放射線がどこでどれくらいの数値なのかを可視化することができるようになっています。

その他の機能:

• クエリレチクルツール:測定値の正確な数値を表示します。

• カスタムレイヤー:個別の層を組み合わせてることにより、カスタム比較を作成します。

• リアルタイムIDW補間:GIS補間スクリプトで時間(または日)を費やすことなく、測定していない地域で短時間に予測値を視覚化します。

• 高パフォーマンス:超高速のSIMDベクトル化、マルチスレッドのコードは、ほぼ瞬時にデータをレンダリングします。

• オフライン機能:データを100%オフラインで使用できます。 (注:これはベースマップには適用されません)…

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Safecast Code

In FAQ, ニュース, 論説 by sean

We’ve been thinking about what describes the Safecast project as a whole, and came up with a list of 10 things that we try to incorporate into all of our efforts. This is something like our code of conduct, what …

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2000万点突破!

In ニュース by azby

Growth of Safecast Dataset

数日前、セーフキャストは新たな節目に到達しました。集積データポイントが2000万点に到達したのです!

上記のグラフを見ると、点はゼロから始まり、1000万のデータポイントを収集するのに7ヶ月かかっています。2011年4月半ば、私たちが開発した初めて行ったGPS付きデータ収集の取り組みでは、メドコム社の放射線計測器インスペクター(Inspector)とiPhoneを組み合わせたものを使用していました。4月23日までには最初のビーガイギー(bGeigie)が使用され、東京でのテストが成功したその日、私たちは次の目的地である福島に向かいました。これらユニットの3つ、私たちが「ビーガイギー・クラシック」と呼んでいるバージョンは、この時に作成されました。すぐ後に、さらにコンパクトな型を開発し、計測に使うようになりました。2011年6月に34台のビーガイギー・ミニを、そして同年10月には36台のビーガイギー・プラスを生み出し、この頃に集積データポイントの数は100万点に到達したのです。
1年後の2012年11月には、集積データポイントは500万点になりました。このときまでに、ビーガイギー・シリーズでは最小サイズのビーガイギー・ナノ(bGeigie Nano)の試作品が数台組み立てられ、テストされました。初期の試作品のうち1台は2012年8月にチェルノブイリへ行っています。最終版の試作品が世界中のボランティアの手に渡った2013年6月、データポイントは1000万点に到達しました。
たった1年でデータポイントが2倍になったことに、私たちは感激しました。
 
SAFECAST タイルマップ

この成功は、私たちのボランティアの方々の努力のおかげです。現在、世界中に約400台のナノが出回っています。(しかしながら、私たちは実際のところ、どのぐらいのナノが実際に使用されているのかを知るすべはありません。いくつかは未作成で使用されていないのではないかと推測しています。)私たちのAPI (データアップするシステム)では567人のユーザー数を示しており、その内387人のユーザーは一度はデータをアップロードしています。データのほぼ4分の3は10人の最も活動的なボランティアによって収集されています。 本当にGLCの皆様には感謝の意を表します。 GLC社は日本のあらゆる道路を走り、その車には常にビーガイギーが搭載してくれていました。彼らは、実に600万点のデータポイントの収集に協力してくれています。KM会津は170万点のデータポイントを収集してくれた、もう一つのとても活動的なボランティアグループです。もちろん、私たちはこのような非常に活動的なボランティアに出会えて嬉しく思っていますが、これは競争やコンテストではありません。すべてのボランティアの方々のご協力を同様に有難く思っています。

WorldCoverageJuly2014
上:セーフキャストが計測を行った国

セーフキャストが放射線計測を行った国は着実に増えています。メンバーのLionel Bergeretが、国別の内訳を示す地図を作成してくれました。この地図では、全体のデータの約75%を日本が占めていることを示しています。これには誰もが納得するでしょう。
次に多いのは米国で、200万点以上のデータポイントがあり、全体の約13%を占めています。セーフキャストのデータベースには、現在、ヨーロッパのほとんどの国、アフリカ、アジア、アフリカ、アジア、中東、南アメリカなど、全部で54カ国のデータが含まれています。 その中には 南極 からのデータもあります。

私たちは、固定センサー、nGeigie(エヌ・ガイギー)のネットワークシステムも着実に構築しています。現在では、日本と米国で数点の固定センサーがつながっています。固定センサーの情報もセーフキャストのタイルマップに掲載されています。緑のアンテナのアイコンをクリックすると、時間を基準にした最近のデータグラフが表示されます。 また、エアークオリティセンサー(セーフキャスト・エアー)の開発も続けてきました。オープン性がどれほど成功のために重要なものなのか、どれだけ強調してもたりません。誰もがセーフキャストのデータをダウンロードすることができます。そのデータを使ってやりたいことをしていただけます。セーフキャストのハードウェアもソフトウェアも設計はオープンソースであり、無料で利用できます。セーフキャストのiOSアプリも無料です。ビーガイギー・ナノ・キット を入手してもらうには費用がかかりますが、この このレビューの作者 のように、自分でキットの部品を調達し、自分でハックしてキットを作ることもできます。その際にかかる費用はほとんど同額になると思います。

もしまだ疑問を持たれる方がいらっしゃれば、セーフキャストがこの信念を貫いていく姿をみていただければと思います。福島の災害はあらゆる人の行動をある意味で促進しました。
しかし、私たちの議論が増えるにつれて、長期間にわたっての環境モニターの必要性でした。どのようにして地球規模で可能な限りの基本的な地域をカバーするか、どのように迅速かつ効果的にコミュニケーションをとるか、そして何よりも、どうやって人々と一緒に目標に向かって動けるだろうか、ということでした。
セーフキャストは私たちすべてを変えました。そして、成功は強力なモチベーションとなっています。しかし、たとえ誰もが見向きもしなかったとしても、セーフキャストは行動していたことでしょう。
(翻訳: Kohei Watanabe, Kiki Tanaka)


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今月注目のデータ・アップロード

In ニュース by azby

上図: SAFECAST API (セーフキャス・トエーピーアイ)上では、アップロードされたデータがこのように表示されます。

計測されたデータがアップロードされると、いろんな理由で非常に興味深いと感じることがあります。ですので、今日はデータ・アップロードに関して取り上げてみたいと思います。題して、「今月注目のデータ・アップロード」

bGeigie Nano (ビーガイギーナノ)ユーザーであり、かつ、米国のNPO団体、Beyond Nuclear (ビヨンド・ニュークリアー)の中心メンバーであるケビン・キャンプス氏が、先日、以下の説明を添えてデータをアップロードしてくれました。
「ヴァン・ビューレン州立公園敷地内にあるエンタジー・ニュークリア・パリセーズ社の原子炉北部周辺を歩く。 」
この場所は、米国ミシガン湖畔にあるサウスヘブンというところに位置しています。

原子力発電所近辺の放射線レベルに関して、多くの人が懸念を示していますが、信頼できる、単独で実施された調査結果はほとんど見当たらないので、どこまでが正常値で、どこからが問題なのか、ということはなかなか分かりません。でも、セーフキャストのボランティアになれば、迅速、かつ手軽に調査を行い、このように計測値をアップロードすることが出来ます。より多くのデータが一般公開されれば、気になる地域の放射線レベルの基準値(ベースライン)を見出す手掛かりになります。今回のbGeigie Nano 調査では、若干高めの数値が計測された地域も数か所見つかりましたが、大半の場所は25-40CPMの数値内にあることが分かりました。この地域のデータはまだ限られているので、今回計測されたデータと比較することはできませんが、特に問題があると思われない、正常な範囲内の自然放射線レベルの数値であるかと思われます。

This is the upload as it appears in our new web map.
データがアップロードされると、このようにセーフキャストの最新版Webマップ上に表示されます。

それから、もう一点、私たちが今回のデータ・アップロードに関して嬉しく思うのは、Beyond Nuclearが、今年4月にワシントンDCで開催されたbGeigie Nano 製作ワークショップに参加してくれた、数ある団体の一グループだったことです。ワークショップでの労力が、このような形で具体的な結果に繋がっているのを目にすることができ、とても嬉しく思います。
翻訳:Akiko Henmi…

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イラクでセーフキャスティング:オープンデータは扉を開く

In ニュース, マップ, 主要記事, 放射線 by Bilal Ghalib

先月、イラクのエルビルで行われたピース・テックキャンプでのデータ視覚化のワークショップに誘われました。私が働いていたNGOの一つは、イラクでの劣化ウラン問題についての意識を高めるために研究を視覚化しようとしていました。幸いにも私はケンブリッジで飛行機に搭乗する前に、セーフキャストのショーン・ボナーに偶然に遭って、bGeigie(ビーガイギー)のデバイスを貸してもらっていたのです。私は、ピース・テック・キャンプ、イラク南部のNGOの聴衆に、この新しいツールと機能がどういうものなのか、どうやって動くのかを説明しました。このことが、イラクのバスラで癌に罹患した子供たちを支援する組織を運営する Layth Al-Salihi の目にとまったのです。

Layth at PeaceTech in Iraq

Layth、イラクのピース・テックにて

彼の息子は、数年前に癌と診断されましたが、勇敢にも病と闘い、回復しました。Laythはその経験から得た学びとエネルギーをバスラ地区内で癌を患う子供を抱える他の家族を助けるために使うことに向けたのです。彼は、病院の近くにプレイセンター(遊び場としての集会所)を設置することに貢献し、被災した子どもを持つ親のためのトレーニングセッションを行っています。そして、治療の余裕がない子供のために薬の提供もしています。

Laythは、彼の息子の癌やバスラで増えている先天性障害の原因は、湾岸戦争とイラク戦争でイラクに投下された放射性弾薬(ウラン弾)によるものだと確信しています。
劣化ウランは徹甲弾薬を作成するために使用されていた重金属で、アメリカはその戦時下に、イラク全土、350ヶ所以上に合計約1.4トンの劣化ウラン弾を落としています。劣化ウランが、がんの発生や出生異常率を上昇させたのかどうかをめぐる論争があります。近年発表された世界保健機関(WHO)による研究、「イラク特定18地区内における先天性異常の有病率の概要」では、次のように結論づけています。

「…調査で明らかになった自然流産、死産や先天性障害の発生率は、国際的な推定値と同等か、それ以下である。調査では、イラクでの出生異常の比率が高いことを示唆する明確な証拠は示されていない。」

「劣化ウランによるイラクでの環境汚染 -モースル市におけるがんと先天性障害発生率への影響の可能性について (原題は Environmental pollution by depleted uranium in Iraq with special reference to Mosul and possible effects on cancer and birth defect rates) 」という論文が国際学術誌「Medicine, Conflict and Survival」に掲載され、次のように要約されています。

「1991年の湾岸戦争と2003年のイラク戦争では、イラクの多くの地域に劣化ウラン弾による環境汚染という負の遺産を残した。このような兵器の使用がイラク市民の健康に影響を与えた可能性があり、実際にがんや先天性異常発生率が増加していることも明らかになりつつある。汚染は、すでに大気、土壌や水といった広範囲に及び、特に暴風下では粉塵となって拡散している。」

このような見解の相違は、イラクの公衆衛生を援助するプロジェクトにおいて混乱と停滞をもたらしました。だからこそ、ビーガイギーを渡した後、Laythは私のところに来て、がんの発生率やイラクでの劣化ウランの矛盾した報告について話してくれたのです。Laythは、オープンデータのプロジェクトを作ることを提案しました。そのプロジェクトでは、その地域での入院患者の調査結果と罹患者の居住地域情報を、SAFECASTのAPIで作った地図に重ね合わせることで、劣化ウランとがん、出生異常発生率との関連性を地図上で確認することができるようになるかもしれません。

私たちは、試しにバスラでビーガイギーの活用を支援する「Fikraスペース」と呼ばれるイラクのハッカースペースと、LaythのNGOを繋ぐ計画を立て始めました。私はイラクで「Fikraスペース」と呼ばれるハッカースペースの仲間と協力しています。ハッカースペースからチームをつくり、バスラで今後活動をするために彼らを養成することを提案しました。そしてPeaceTechキャンプが終了した後、私はバグダッドへ向い、放射線マッピングのワークショップを運営するFikra …

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46カ国突破!

In ニュース, マップ by sean

セーフキャストのライオネルは、セーフキャストがどのように地球をカバーしているのかを追跡し、私たちがどこに行ったのか、どこに行っていないのかを簡単に見れる地図を作成しました。
この地図では46番目の国にイラク、47番目にインドネシアのデータを追加した後に生まれました。そしてインドネシアを追加した数時間後には既に使用が可能になり、こんなに早く、世界のこのプロジェクトの広がりを見ることが出来たことを、とても嬉しく思い、興奮しております。
次は目標50カ国以上。次はどの国にしましょうか?
 

20140313_map

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セーフキャスト 3周年イベント

In Events, ニュース by sean

セーフキャスト設立のきっかけとなった、東北地方太平洋沖地震と津波そして福島第一原発のメルトダウンから3年をしのび、3/15(土)、16(日)に、イベントを開催します。2日間のプログラムは、議論と実践的なイベントとなります。15日(土)には東京大学で「これからの3年間」というこれまで起きたことを見つめ直し、未来に向かって期待できることについてのディスカッションを予定しています。プログラムと哲学と同様に、ポリシーや活動について議論する予定です。質疑応答とあわせ個別の講演(講演者リストはまもなく発表します。)を含んでいます。これらのイベントはライブ中継したいと考えています。15日は東京大学でのレセプションで終了予定です。

15日の夕方より16日の夕方まで、セーフキャストのウェブサイトに関するグローバルハッカソンを実施します。これは、皆さんの協力をお願いする機会となる膨大なプロジェクトです。コピーライター、翻訳者、デザイナー、開発者など多くの方を歓迎します。もし、ご興味ありましたら、さらなる詳細についてハッカソンのメーリングリストにご参加ください。実際に、サイトを見てセクション毎に再考していきます。そして、改善がみられるよう、APIや地図についても見ていきます。世界中の人々から私達が直面している課題に立ち向かうのを遠隔で助けてもらえるよう招待していますが、16日はハックするために道玄坂のオフィス(1FがFabCafe、ロフトワーク)にて実際にお会いしましょう。その日はいくつかの大きな改善を行って終了したいと思っております。

両日ともイベントは一般に公開されています。

「フクシマ ~ これからの3年間:現状と展望について」

セミナー開催日:2014年3月15日

時間:午後1時 – 5時まで

場所:東京大学駒場キャンパス 総合研究実験棟(An棟) 2階コンベンションホール

http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam02_04_09_j.html

このイベントは USTREAMで生中継されます。

USTREAM専用リンクはこちら:

USTREAM http://www.ustream.tv/channel/safecast-live/

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プログラム予定表

12:30 開場

13:00 セーフキャスト-これからの3年間:

『開幕のあいさつ』
伊藤穣一(セーフキャスト共同創設者、MITメディアラボ研究所長)

『セーフキャスト~現状と今後の展望』
ショーン・ボナー(セーフキャスト)
ピーター・フランケン(セーフキャスト)
カリン・コズハロフ (セーフキャスト)

続いて『質疑応答』

14:00 海洋生物、食品、人体への放射能汚染状況について

『クラウドソースによる新しい海洋生物の放射能汚染研究について』
ケン・ブッセラー(ウッズホール海洋研究所)

『安全な食品の未来について』…

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IAEAでセーフキャスティング

In ニュース, 主要記事, 放射線 by azby

1日目、2014年2月16日

ジョーと私、アズビーは、今週月曜日にウィーンで始まる国際原子力機関(IAEA)の専門家会議に出席します。

この国際会議に関する情報(英語のみ)は、以下のリンクから見ることができます。
福島第一原子力発電所事故(IEM6)後の放射線防護に関するIAEA国際専門家会議、2014年2月17日〜21日、オーストリア、ウィーンにて

私たちが会議に参加すべきかどうか、かなり議論を重ねてきたのですが、それには様々な理由がありました。セーフキャストがこの会議に参加することで、何ら建設的な対話を交わさなくとも、IAEAがどの団体に対しても「受容的」で「公平」であるかのように見えてしまう可能性があるのではないかと考えたからです。また、私たちが会議への参加に同意することで、私たちセーフキャストの独立性が危うくなると人々に思われることがあれば、会議への参加は私たちにとって逆効果になりうることも認識していました。
しかし、私たちに連絡をくれたIAEAの職員とのやりとりは驚くほど率直で、IAEA内部の職員の多くがセーフキャストの実施してきた活動に深い興味を持っていることを知ったので、セーフキャストの方法論や調査結果を知らないIAEAの専門家たちがいれば、セーフキャストから学び得ることがあるのではないか、という印象を受けたのです。IAEAの職員も、セーフキャストが批判的なことを沢山述べてくれるのでは期待していたようでした。その一方で、会議の主催者は、私たちセーフキャストを招聘することで、主催者自身、批判の矢面に立たされることにもなったのです。というのも、私たちは原子力の分野では正当な専門家として「認められていない」からです。

会議はあと数時間のうちに始まります。セーフキャストがこの会議に参加したからと言って、何かが速やかに、一気に変わるとは思っていません。しかし、これは高レベルの専門家達に自分たちの批判的な見解を聞いてもらえる貴重な機会であり、こうして参加すれば、独立した第三者的団体の意見も受け入れられたという前例のないケースになると思うのです。

Vienna as a whole has very normal levels of ambient radioactivity, but the granite base of the statue of Goethe is a bit hot.
[ウィーンは全域に渡って環境放射能は極めて正常なレベルですが、花こう岩で作られたゲーテ像の土台部分の放射線量値は若干高めです。]

2014年2月17日 第2日目

会議は午後から始まりました。登録手続では、かなり厳重なセキュリティを通るようになっており、その後、写真付きのIDバッジが渡されるようになっていました。今日のプレゼンテーションの大半は、これまでの政府や規制機関の活動概要の説明、環境、除染、健康等の現状について、人々に最新情報を伝えることを主目的としていました。原子力規制委員会(NRA)、日本原子力研究開発機構(JAEA)、そして放射線医学総合研究所(NIRS)から来た日本の代表者たちによる発表もありましたが、すべて英語で行われたので、大変だと感じた人もいたかもしれません。今までの成り行きを間近で追い続けてきた私たちには、彼らのこれまでの展開の基本的な概要に関するプレゼンテーションを聞いても、目新しい発見は特にありませんでした。

第二部のセッションでは、世界保健機関(WHO)、原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)、国際連合食糧農業機関(FAO)、経済開発協力機構(OECD)の代表者による発表がありました。 WHO の Emile van Deventer氏と、UNSCEAR の Malcolm Crick氏は、各々が所属する機関がリリースした報告書(あるいは間もなく発表する予定)について概要を説明し、長時間を掛けて、どのようにして WHO や UNSCEAR が外部の人たちと関わりながらも任務を遂行し、内部で情報収集するのか説明していました。目新しい内容の発表はなく、WHO の福島に関する追加的な報告書の発表もありませんでした。UNSCEAR による長いこと先送りになっていた健康の影響に関する報告書は、最終的に2014年の4月2日に公表されるとのこと、また、IAEA による報告書は2014年度末にまとめられ、2015年半ばに公表されることが明らかになりました。

繰り返しになりますが、その発表内容のほとんどは組織についてであったり、回顧的なものであり、重要な部分はほんの少ししか明らかにされませんでした。国際原子力機関(IAEA)の Miroslav Pinak氏は自らのプレゼンテーションで、IAEA がしきい値無し直線(LNT)仮説(モデル)の原則を使っており、わずかな被ばくであっても健康面にリスクがあると明確に述べていました。発表後に、私は UNSCEAR の Malcolm Crick氏に、これらの報告書が実際に集団線量推定値を支持すると捉えていいのか、また、線量・線量率効果係数(DDREF、ここでは、DDREFの1を採用している)を放棄すると見ていいのかと尋ねると、彼はその二点について、「そうだ」と明言しました。また、何人かの発表者は、全体として線量評価、リスク評価法が一般市民にとって非常に紛らわしく分かりづらくなっており、積極的な見直し、あるいは何か他のものと置き換えられる必要があるのではというコンセンサスが大きくなっていることに触れていました。私たちがこういった問題点をはっきりと認識できるようになれば、事態解決への大きな第一歩に繋がるのでは、と思っています。

こういった会議では、参加者同士が既に長年の知り合いであることが多く、そのため、あるクラブ会員のような排他的な雰囲気が若干感じられました。同時に、そういった雰囲気であるからこそ、外交的ではありますが、率直な意見交換が可能でもあるのです。一方で、複数の発表者が、福島の事故後、(人々への放射線量を最小化するという意味で)放射線防護に関しては功を奏している一方で、事故を未然に防ぐための規制防護は情けないほどに失敗してきたと話していました。その上、事故関係者、当事者間による連絡などの意思疎通がうまく取れていないことも複数の発表者によって示唆されました。もちろんこれは、私たちセーフキャストのプレゼンテーションにとって明らかな推進力にも繋がります。自画自賛はさておき、誰一人として、(原発事故後の)風向きがほとんど海方面だったので日本人は本当にラッキーだった、そして、だからこそ防御法が何であれ、良い結果に繋がったのだ、などと言う人はいなかったように記憶しています。

この日は、歓迎会で締めくくられ、大勢の人々と言葉を交わす機会に恵まれました。Malcolm Crick氏は、UNSCEAR内にもセーフキャストのファンが多くいること、そして彼らは公式データを照合検査するために、セーフキャストのデータセットが便利であることに気付いている、と私たちに話してくれました。甲状腺疫学者、Peter Jacob教授と話をする機会もありました。彼は、どのぐらい多くの甲状腺癌の症例が最終的に福島県で発見されることになりそうかを推測し、その解釈の仕方を説明した論文を最近発表しています。
私たちは伊達市の仁志田昇司市長にもお会いすることが出来ました。仁志田市長は、個人線量計とホールボディーカウンター(WBC)スクリーニングを通して、伊達市民全員の線量測定をとても積極的に時宜にかなった形で実施した方です。仁志田市長も他の日本人出席者も、ジョーと私が日本語を話すことに驚いていました。このような会議で日本語を話す人に出会うというのは、ほとんど皆無なのでしょう。…