6月23日、24日、福島県の猪苗代で開催された「市民科学者国際シンポジウム」に参加してきました。『福島第一原発事故の影響の究明と今後の対策の確立のための科学的基盤』と題したこのシンポジウムには、国内外の専門家が集まりました。
ちなみに、このシンポの主催団体のひとつである「子どもたちを放射能から守るネットワーク」、「市民放射能測定所」は、セーフキャストにも放射線計測で協力してくださっているグループです。
地元を含む多くの団体が主催・協力して企画・運営したこの会には、福島原発事故から1年以上経ち、事故による放射線の放出が土地、食物、健康にどのように影響を与えるのか、そしてこの間、さまざまな団体や研究機関がどのような研究、活動をしてきたのかを知ることができる、科学者と市民が結集した会でした。
研究者や医師の方にも、不安を抱える福島の人達に寄り添って支援を続ける方がいるのだと知りました。正直言ってこれは嬉しい驚きです。地元の人たちにとっては心強い支えとなるでしょう。
先日、水俣病の患者を当初から診つづけてきた原田正純先生がお亡くなりになりました。一度お会いしたことがあったのですが、常に患者さんの立場の視線を忘れない、とても真摯な笑顔の優しい医師でした。原田先生の存在が水俣病の患者さんたちをどれほど支えたことかと思うのです。福島を支える研究者や医者の方達の中にも原田先生のような方がたくさんいらっしゃるようです。
このシンポは、科学者が発表した研究内容が市民生活の中で生きていくような建設的な情報の共有と発展を目指したものでした。
「放射線の遺伝的影響」(新川詔夫/北海道医療大学・遺伝子学)、「数値モデルを用いた大気経由の放射線物質の輸送・沈着分布の推定」(滝川雅之/独立行政法人海洋研究開発機構)、「福島県民の体内汚染-最新のホールボディカウンター測定から学んだこと-」(早野龍五/東京大学大学院・理学系研究科)のほか、農作物の現状や低線量内部被ばくの危険性など、トピックは多岐にわたりました。
各研究発表から感じたことは、多くの専門家が今回のことに注目しているのはもちろん、現地のことをとても心配しているんんだということでした。

シンポジウム会場の様子
一日の最後は円卓会議といって、各分野の専門家が「朝まで生テレビ」のように円卓に座り、その周りに参加者が座って討論を聞くというスタイルがとられました。
ここで初めて市民側の生の声を聞いたのですが、どれも驚くものばかりでした。福島で現在進行形で起こっているのに世の中に知られていない情報が実に多くあるのです。福島の原発事故後の政府の対応のまずさはすでに露呈されていますが、それ以外にも検査などの対応に問題があることなどは、生の福島の人の声を聞くまでは知りませんでした。

円卓会議の様子
また、学校では校庭での授業時間は1日2時間までと制限されているにもかかわらず、マスクの義務づけはないそうです。甲状腺の検査では、基準値以下でも高い線量が出た子供たちは追加検査が受けられないのだそうです。通常の医療現場では、本人や保護者が希望すれば追加検査が受けられるのは当たり前のことなのですが、福島県では心配する親御さんがどれだけお願いしても、2年半の間は再検査は受けられないようになっているのだとか。その理由は「地域社会に不安を与えるから」。これでは余計に不安になってしまいます。
親御さん達は、日々、自分達が決断した福島に残るという選択肢が果たして子供にとって正しいものだったのだろうか、自分の子供にどんな食べ物を与えたらよいのだろうかと悩んでいるそうです。
ご存知の通り、セーフキャストは放射線計測をする団体です。一貫したデータを集積するといった取り組みを必要とする方は、福島県にはまだまだ絶えないのだと改めて感じました。
このシンポジウムではセーフキャストは登壇はしませんでしたが、会場ではピーター・フランケンとジョー・モロスを中心に、多くの方々にセーフキャストの活動を紹介することができました。

セーフキャストのピーター、ジョー、鷲山さん。猪苗代湖をバックに。
ちなみにこの会議は参加費無料でした。これだけの会議を参加費無料でなされた運営実行陣の努力と気力に脱帽です。どうもありがとうございました。
著者: キキ
追加:猪苗代から西に1時間ほどの会津美里ではセーフキャストのメンバーが廃校となった小学校でbガイギーの制作にあたっています。田んぼに囲まれたのどかで美しいこの土地では、夜になると蛍が飛び、満点の星空を楽しめます。


会津美里にある廃校になった小学校の校庭にあるモニタリングポスト。太陽光で稼動している。


When we founded Safecast we were very aware that Radiation wasn’t the only invisible environmental factor around us that people should have more data about. It was the most pressing and the spark that set this in motion, but we …















