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Plan to discharge Fukushima plant water into sea sets a dangerous precedent (福島第一原子力発電所汚染水の海洋放出は危険な前例を作る

著:アズビー・ブラウン、イアン・ダービー 2021年4月24日

https://www.japantimes.co.jp/opinion/2021/04/24/commentary/japan-commentary/fukushima-radiation-3-11-nuclear-energy-radioactive-water-iaea/

4月13日日本政府は、現在福島第一原子力発電所に貯蔵されている処理水を太平洋に放出するという東京電力ホールディングス株式会社(東電)による計画を承認したことを発表しました。(1)

Safecastはこの決定に伴う懸念を分析し、全ての関係者の権利が守られるための方法を提示することが重要と考えます。今回の件において我々が最も懸念していることは、このような一方的な決定が、国際社会において危険な前例となってしまうことです。

被害を受けた原発を管理している電力会社である東電は、当初から汚染水、処理水問題に関して(説明責任を果たさず)透明性と誠実さに欠ける対応を行ってきました。国際社会において事故対応の過程が適切だと承認されるためには、完全に透明で独立したモニタリング及び環境への影響評価が、処理水の放出前、放出中及び放出後の全ての段階において行われなければなりません。

2011年に福島第一原子力発電所で発生した事故は環境、経済および社会すべてに多大な苦難を与えました。これらの課題解決に向けて建設的かつ勤勉な取り組みが行われてきましたが、10年たった今も大きな課題が数多く残されており、今後も数十年にわたって取り組み続けなければならないでしょう。

現場に貯蔵されている汚染水の処理は技術面に加え、社会面、経済面においても大きな課題となっています。現時点で120万トン以上の汚染水が原発内に設置された1,000以上のタンクに貯蔵されており、その量は日々増加しています。(2)

東電はトリチウム(人体への影響がもっと低いと考えられている水素の放射性同位体)以外の全放射性同位体を除去した処理水を海水によって非常に低濃度まで希釈すれば、太平洋に放出しても問題ないと主張しています。この「希釈して海洋に放出」という案は、2013年に国際原子力機関(IAEA)および日本原子力規制委員会の両者によって推進されたものであり、技術面での実現可能性、時間、コストおよび安全性に基づいて日本の公式委員会によって評価された複数の選択肢のうちの一つでした。(3)

海洋放出は2年後に開始され、完了までに30年かかると見込まれています。この案が他の複数の選択肢の中で最も問題点が少ないものである可能性は否定できませんが、判断基準となっている根拠には疑わしい点があります。(4)

IAEAおよび米国は海洋放出案への支持を表明しています。しかし現段階においても未だに技術面での明確な計画や環境への影響の調査内容は公表されていません。さらにこれらの決断は、近隣諸国、国際社会さらに日本国内の関係者とさえ十分な協議が行われないまま下されました。(5)

このため中国や韓国をはじめとする複数の国々は反対意見を表明しました。(6)福島のみならず日本全国の水産物が世界市場において取り返しのつかない損害を被ることを恐れた水産業界もまた、強い反発を示しています。既存のIAEAの合意では、放射性物質の国境を跨いだ放出は影響を受けうる関連国と評議する必要がある、規定されており、今回の案件はこの「放射性物質の国境を跨いだ放出」に該当します。(7)

さらに、IAEAの規定には放射性物質の影響が発生国の領域外に及ぶ可能性がある場合は特別な対応が必要であると明記されています。(8)今回の福島第一原子力発電所からの処理水の放出が、他国に影響を及ぼさず、検出可能で懸念を生じさせないことは証明されていません。

それどころか、環太平洋地域の国々は推定される影響が低いとされていても、評議を要求する権利を有します。また、今回の放出は1974年に締結された国際海洋機関の協定に違反する可能性があるという指摘もされています。(9)

これらの議論の正当性は法廷で裁かれることになるかもしれませんが、今回のような一方的な行動が非倫理的であることは間違いありません。様々な懸念を引き起こし、世界的に注目される出来事であるからこそ東電および日本政府は、世界中の関係者や有識者の議論への参加や意見の共有を積極的に推進し、課題に真摯に向き合い誠意をもって解決に取り組んでいることを示す必要があります。

国際的な協議や関与なしに独断で処理水の放流を許可すれば、国際的に影響のおよぶ可能性のある事柄に関する判断は国際的な合意に基づいて行われなければならないという現在の社会システムに損害を与え、危険な前例となってしまうでしょう。もし日本が自国の安全のみを考慮し、今回のような大規模な放出を実行すれば、他国が同様に周辺諸国に影響を与えるような判断を下した場合に反対する権利を失ってしまいます。

国際社会も危機感を持つべきです。福島の放流計画が実現すれば、世界中の様々な国の原子力発電所がこれを前例として挙げ、周辺諸国の同意を得ないまま放射性物質を海洋に放出することが可能になります。つまり、ロシアが北極海または日本海へ、中国が日本海や南シナ海に、アラブ首長国連邦がペルシャ湾に放射性液体廃棄物の放出を決断した場合、反対することも止めることもできなくなるのです。(10)

核兵器不拡散規約とは異なり、IAEAの参加で行われている放射性物質の放出モニタリングは信頼関係に基づいた自己申告制であるため、悪用することは容易です。国家に対して正しいことをするように強制することはできません。外交圧力や世論は十分な影響力を持たないこともありますが、最良の抑止方法であることは間違いありません。そしてこのような抑止力を正常に機能させるためには、国際的な検証の判断基準を明確にし、情報開示(透明性)を行うことが重要です。

現在日本政府は公式発表にて、原子力施設からの海洋放出は「一般的」または「正常」であると主張し、今回の計画の安全性を強調しています。(11)これは不誠実かつ、信頼のおける主張ではありません。一方の東電も高額な費用をかけて長期間にわたって行われたALPS放射性核種システムによる処理後の水は、他の制御された放出水と同様の濃度であり、最小限の規制で十分であるとしています。

しかし通常の原子力発電や燃料処理過程では、生成されるトリチウムの量は予想可能な範囲内であり、それらを考慮したうえで計画的に一定量が放出されます。福島第一原子力発電所における今回の放出は、過負荷によるタンクやパイプの破裂によって起こりうるより大きな損害を防ぐための緊急措置であり、同時にスペース不足のためにこれ以上のタンクの貯蔵場所が確保できないという事情にも対応できる好都合な解決策なのです。つまり「正常」な点は何一つなく、綿密な計画及びモニタリング、さらに厳重な規制制度が必要となります。

ALPSシステムを最高の状態で稼働すれば、トリチウム以外の全ての放射性核種の除去が可能であるように思われるかもしれません。(12)しかし実際のところは、現在貯蔵されている120万トンおよび今後生成される同容量の汚染水を数十年にわたって処理していかなければならないことを考えると、そのすべてが厳密な基準を満たす精度で処理されるであろうと考えるのは危険です。

ポンプの摩耗、フィルターの目詰まり、ガスケットの劣化、レバーの引き間違いや作業環境に対する不満によるミスコミュニケーションなど、数多くの技術的ミスおよび人的ミスが予想されます。東電はこのようなミスやそれらによって引き起こされる事態をきちんと公表するのでしょうか。例えばストロンチウム90の10%が太平洋に誤って放出されてしまうようなことがあった場合、我々はその情報を得ることができるのでしょうか。(13) 特に水問題における今までの東電の透明性や誠意に欠ける対応は記録に残されており、国際社会からの信用は残念ながら無いに等しいと言えます。

2012年後半に導入されたALPSシステムの試験的な活用当初から、東電は処理後に水中に残留している放射性核種はトリチウムのみであると国際社会に保証してきました。この発言に基づいて「希釈後に放出」という今回の計画が社会に対して大々的に宣伝され、推進されてきました。(14)

しかしながら同社は2018年後半に、システムが十分に除去することができなかったことから、全体の約80%(110万トンの汚染水のうち89万トン以上)にあたる処理水に、ストロンチウム90、コバルト60、ルテニウム106やその他多くの基準値を超える放射性核種が含まれていることを認めました。この事実が東電によって故意に隠蔽されていたことを知った世論は大きく反発しました。放出計画の支持者はこの国民の信頼を大きく裏切った出来事が忘れられることを望んでいるかのようです。…

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日本に於けるCOVID-19コロナ・ウィルス患者数が表す意味

In COVID19, featured, ニュース, 主要記事 by exporter

2020年3月24日Azby Brown著

Reiko Mori, Yoshida Suzuka, Tatsumi Baba, Ryuichi Anbo, Mami Yahiro, Momoha Koya (Furuhashi Lab., Aoyama Gakuin Univ.) 翻訳

 

先週、私はセーフキャストの一員として日本のCOVID-19コロナ・ウィルスの検査についての記事を書きました。

さて、ここCOVID-19コロナ・ウィルスに関する正確な情報の伝達が乏しく、最近では検査基準を満たしている人が検査を断られる事例が増加し、国民の間で不満や疑惑の声が挙がっています。これは政府による政策が原因ですが、検査することを重要視している韓国、台湾やシンガポールなどの国は感染者の数値が緩和し始めたのに対し、日本ではそれらの国と大幅に異なり検査数が少ない状況です。

今後一体どういうことが起こるのでしょうか?

日本国内では、普段の生活に於いて肉体的な距離を保つ傾向を筆頭に、マスクの着用や優れた衛生環境、握手による挨拶が少ない、などの要因を基にCOVID-19コロナ・ウイルスに打ち勝ったという話が最近様々な所広まってきています。セーフキャストでは「マスクの着用」や「規則正しい手洗い」は、肌の接触を減らすのと同等に重要視しており、ここまでの接触感染率の低さを保っているのは恐らくそのお陰なのではないかと思います。

しかし、学校の閉鎖や開催予定であった大きなイベントのキャンセル、そしてなるべく多くの人々が在宅ワークを行っているにも関わらず、文化的背景に基づいた日々の社会的な距離だけでは強制力がとても弱い可能性も出てきています。例えば、公園では毎日のように花見をしに来た人々で埋め尽くされ、電車も常に満員です。バーなどの飲み屋、またレストランなどの飲食店も同じ状況です。私達は今までラッキーだったのでしょうか。

その一方、感染者数は国民全般に於ける検査の不足、そして、誤った分類による単純肺炎で亡くなった方と、COVID-19コロナ・ウイルスで亡くなった方との区別が曖昧で、疑いが晴れないでいる現状も存在します。

日本の各都道府県や地方自治体は、緊急事態時には自主的に対応を行える権限を保持しています。例えば、最近のニュースでは

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COVID-19 testing, putting a face to the numbers

In COVID19, ニュース, マップ by exporter

SAFECASTでは先日、新型コロナ・ウイルスのテスト・マップを発行し、ウィルスの現状と猛威を示す情報がアジア、北アメリカ、そしてヨーロッパから寄せられました。

2011311日。

今回の対応について語る前に、2011/3/11について多少触れさせて下さい。

SAFECAST放射能や空気汚染などのテーマを扱い、各地域に携わる地元市民が自分達の生活、即ち「ストーリー」に密着することにより、地域独自にコントロールできるプラットフォーム作りをしてきました。

例えば原子力発電による放射能被害が深刻な福島では、現地で生活する方々に情報を提供とストーリーを提供頂くことにより、メディアが目玉集めのために誘導しがちな放射能の捨て場所ではなく、地元の方々が実際に元気に生活し、彼らの未来を描く現状を提供することを提示できました。

地元の方々が自分の土地の放射能を計測してそれを公表することにより、他人やメディア任せでストーリーを展開させるのではなく、地元の現状を素直にコントロールできるようになりましたまた、福島県と同様の現象世界中の他地域でも見られますが、同様に他地元

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日本の緊急事態に関する解説

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2020年4月8日、アズビー・ブラウンによって公開

昨日(4月7日)、ようやく安部総理大臣によって、東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡を対象とした緊急事態宣言が出され、日本のCOVID-19パンデミックへの対応は新たな局面に入りました。多くの人が指摘するように、この新たな「封鎖(ロックダウン)」は諸外国で実施されているような法的強制力を持ったものではなく、自宅待機の要請に従わなくても罰則が課せられることはありません。

現在の日本の法制度では、そのような強制的な指令を施行することはほぼ不可能なのです(第二次世界大戦前、および戦時中に国全体が非常に無意味な自己犠牲を強いられたからなのですが)。その代わり、政府は来月に向けて、これまでの要請よりも広範囲にわたる社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンス)を自主的にとるよう求めています。スーパーマーケット、コンビニエンスストア、診療所や病院、ホテル、製造業などの「必要不可欠」と見なされるサービス業は、引き続き営業するように求めていますが、バーやクラブ、ライブハウス、カラオケなど大人数が集まる場所は避け、外食しなければならない場合は大人数での利用を避けるよう、引き続き呼び掛けています。奇しくも、公衆浴場は営業を継続するよう求められているようです。都内の映画館、博物館、図書館、デパートなどの多くの公共施設は、先に受けたソーシャル・ディスタンスの要請に応じて、すでに一時的に閉鎖されており、今後も営業停止を継続するよう求められるかもしれません。そうは言っても、誰かに何かを強制することはできず、また、要請を拒否することもできるのが現状です。現在のところ、この命令が適用されるのは国内43都道府県のうち7県(正確には1都1府5県)にのみ限定されています。憂慮すべきことに、緊急規制を回避するために東京から多くの人が圏外に脱出したとの報告も多数受けています。中国やイタリアなどでは、部分的な閉鎖を行ったものの旅行者を効率的に監視しなかったため、感染者たちが国内外に新たな集団感染の種を拡散させる結果となり、事態を計り知れないほど悪化させました。

新たな非常事態宣言に含まれる7つの都道府県。出典:NHK

安倍総理大臣は、「私たち全員が努力して人と人との接触を70%、できれば80%減らすようにすれば、感染症の増加は2週間後にピークを迎え、その後減少に転じるだろう」と言及しています。この発言内容に関しては不確かな部分も多く、特に自主的に要請に応えるというのは、今までのところ日本でもちらほら見受けられました。数週間前に、もっと強力で拘束力のある措置が講じられ、より強制力のあるメッセージを訴えてくれていたならば、と私たちは思うのです。

Agence France Presseの編集者リチャード・カーター氏がツイートしました:

一方、2011年3月の大震災後、日本人は必要なことと判断すれば、不便な緊急措置であっても容易に協力してきました。 2011年には、店舗の照明を半減させたり、駅やビルの外壁のイルミネーション広告を消し、エスカレーターを停止させたり、家庭での消費電力を抑えたりなど、全国的に広がった自主的な省エネ(節電)のおかげで、全体の電力消費量は約2割減少しました。自主規制(自粛)は、お祝いごと、その他の大規模な懇親会、一般的な贅沢などを自粛するよう求められ、人々はそれに従ったのです。

これはある意味、緩やかな犠牲が求められたという最近の前例と言えるでしょう。数日前、TBSが発表した世論調査の結果によると、約80%が緊急宣言の発令に賛成していました。しかし、実際に人々は従うのでしょうか? 一週間後には分かることですが、政府は足固めに必要な準備を整えていないようですし、国民とのコミュニケーションも図れていないように思います。これには追加として、無料託児所の提供や自宅待機しなければならない従業員とその雇用者への助成金、オンラインでの書類提出を困難にする官僚的規制の緩和などが含まれます。多くの企業、大学などでは、今でも大半の従業員は、紙の書類に印鑑を押すために現場に立ち会う必要があります。現在、健康への危機が懸念される中、このような行為は野蛮とも言えます。諸々の関連支援策について話し合いが持たれ、約束されていますが、どれも実施されるに至っていません。先週の日曜日、シンガポール政府は、感染症の「第二の波」(現在、香港でも経験していること)に対応するため、非常に強力な拘束力のある対策を発表しまました。これらのガイドラインは、メディアだけでなく、政府による広報チャネルを使って明確に伝えられており、ベストプラクティスと捉えるべきでしょう。

4月6日現在の日本の症例データ。出典:NHK

3月下旬以降、東京を筆頭に日本全体でCOVID-19の感染者数は明らかに増加しています。これは、3週間前にさかのぼりますが、中途半端な形でソーシャル・ディスタンスを公式に要請したにもかかわらず、お花見で大勢の人が公園に集まり、お互いに感染したのが原因ではないかと大かた意見が一致しています。重要な点が不明確なままで、中央政府によるコミュニケーションへの取り組みは依然としてお粗末ですが、日本でのデータの公開状況はここ数週間で全体的に改善しています。東京都の多言語版COVID-19 ウェブサイトは、政府が提供してきたものよりもはるかに明確で有益な公式情報源となっています。今日現在(4月8日)、東京都の陽性者数は1196人で、2週間前から急激な増加傾向にあり、先週末には1日あたり100人を超える新規感染が発生しました。その後2日間でやや減少し、今日は144例に達しています。現在、全国で累積陽性者数が4480人を超えました。4月6日の感染者数は241人でしたが、4月3日以降は、連日300人を超える感染者数が報告されています。非常によく運営されている独立型のバイリンガルサイト、Japan COVID-19 Coronavirus Tracker,(日本新型コロナウィルス・トラッカー)は、都道府県ごとの詳細なオープンデータベースを提供しており、日本での検査済み症例数データに関して信頼できる情報源になっています。

出典:Japan COVID-19 Coronavirus Tracker (日本新型コロナウィルス・ストラッカー)

以前の記事で述べたように、多くの人々は日本での大規模な検査が行われていないために、COVID-19の実際の症例数や感染率が著しく過小評価されていると結論づけています。昨日のワシントン・ポスト紙に引用されていた、ロンドンのキングスカレッジ・ポピュレーションヘルス研究所所長の渋谷健司教授によると、「遅すぎる・・・。東京はすでに爆発的な感染者数増加の段階に入っており、医療崩壊を止めるためには一日も早く首都封鎖を実施しなければならない」と語っています。渋谷教授は、この1週間での急激な感染者数の増加は、日本の限られた検査戦略が失敗していたことを示す明らかな証拠であり、検査と発見の規模が大きくなればなるほど、そのことがより明白になるとの見解を示しています。

日本での検査数は増加していますが、発生曲線の平坦化に成功したどの国よりもはるかに遅れをとっています。数日前、首相は検査能力を1日あたり7,500人から2万人に拡大すると発表しましたが、いつ頃から実施可能となるかに関しては言及しませんでした。4月7日現在、日本では合計5万5311人が検査を受けていますが、ほぼ毎日検査が実施されていることを考慮すると、現在公表されている1日7,500人の検査能力の半分以下しかないことになります。これとは対照的に、ドイツでは週に50万人が検査を受けています。

日本では他の国と同様、肺炎のような呼吸不全による死亡者全員に対し検査を実施していないため、COVID-19の症例数が過少報告されている可能性があります。逆に、すべての死亡症例がCOVID-19に起因するという分類法は、世界的に広く行われているのですが、これはCOVID-19に起因する死の過大評価につながりうるとして批判されています。しかし、多くの国では、通常の季節性インフルエンザに罹患している間に死亡した人々は、健康上、他に問題があったとしても、インフルエンザによる死亡として記録されていることが指摘されています。特に問題視されるような慣行ではないのかもしれませんが、感染症例の重症度を追跡する上で、この意味合いを念頭に入れておく必要があります。全体として、パンデミックの規模や拡大を過小評価することの方が、過大評価することよりも公衆衛生上のリスクははるかに大きいことは明らかです。

日本のCOVID-19症例の重症度内訳。出典:NHK

日本政府や医療専門家の間では、現在のペースで重症患者数が増え続けると、集中治療室の病床が十分に確保できなくなるのではないかという深刻な懸念が上がってきています。人口10万人当たりのICU病床数の割合は、他の多くの先進国に比べてはるかに低いからです(日本は10万人当たり5床、イタリアは12床、ドイツは約30床)。この単独サイトでは、各都道府県のICUベッドの空き状況の現状を示しています。東京都を含む、少なくとも5つの都道府県では、COVID-19の症例数はすでにICU病床数を上回っています。 NHKによると、COVID-19感染者のうち、ICUでの治療が必要なほど重症化した症例は4%程度にとどまっていますが、重症化した症例がICUのベッド数を上回る可能性が出てきているとのことです。

これを受けて、政府は軽症患者が利用できるよう、東京に約10,000室、関西に3,000室、東京オリンピック村に800室を提供するとの協力をホテルから得たと報告されています。昨日から東京都中央区のホテルに患者の移動が始まりました。 3月24日にお伝えしたように、それまでCOVID-19の数値が比較的低く抑えられていたのは、マスク着用や手洗いなど日本人の様々な生活習慣のおかげだと多くの人が信じていますが、単純に運も一役買っていたのではないかと感じます。では、今後どうなるのでしょうか? 日本は引き続き幸運に恵まれ続けるかもしれません。現在の陽性患者の急増は異常だと分かってくるかもしれないですし、新たな自主的措置は、感染者急増の芽を摘み取るのに十分なほど受け入れられ、広がっていくかもしれません。しかしながら、現在の緊急事態宣言発表に影響を与えたとされる最近の調査では、無視してはならない悲惨な最悪のシナリオも想定されています。自主的措置を要請しても、自宅からの外出を60%以上を削減できなかった場合、ICUのキャパシティ不足によって、4月26日頃に医療システムが崩壊し、50万人が死亡すると著者は結論付けていました。 その一方で、3月2日以降の学校閉鎖により、子どもの接触頻度が40%減少し、2月27日以降の自主的なイベント中止により、大人の接触頻度が50%減少したことを示す未発表の研究に言及しており、外出を60%を減少させることができると期待しています。

あらゆる研究に言えることですが、全てが正確ということはありえませんし、不確実性が内在する中国のデータを基にしているので、このモデルはあくまでも基本的な想定をしているだけに過ぎません。首相は来月から1ヶ月間、ソーシャル・ディスタンスを7、8割減らすように国民に要請しています。しかし、企業が経済的苦境に陥ることなく、従業員が自宅に留まることを認める明確な補償がなければ、これらの目標を達成するのは難しいと言えるでしょう。世界の他の地域で実施されているように、日本でも数週間前から、もっと強制力、拘束力のある措置を講じて、より強力なメッセージを投げかけていたならば、もう少し効果をあげることができたのではないでしょうか。今のところ、私たちは運に頼り過ぎてしまっているようです。…

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COVID-19

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2020年のコロナウイルスの大発生は、9年前にセーフキャストが結成されるきっかけとなった東北地方太平洋沖地震/福島第一原子力発電所のメルトダウンと多くの点で類似しています。

私たちは今、何が起きているのか?よく理解しようと努めています。 一部は状況が非常に急速に変化しているだけでなく、透明性の欠如も原因であるため、相反する報告、政治的な情報操作、および意図的な誤情報が状況を理解するのを難しくしています。 セーフキャストは、この新しい状況で経験と努力が役立つ方法を特定しようとしています。 継続的な評価の共有に役立つ新しいニュースレターを作成しています。 毎日、いくつかの重要ポイント、COVID-19に関連する当日のハイレベルなニュース、および私たちが重要だと思うことを発信します。

セーフキャストの立場と一貫して、この複雑で急速に変化する状況をよりよく理解することを目標にアプローチするよう努めます。

セーフキャストでさらに措置を講じる際には、こちらでも発表していきます。

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日本のCOVID-19テスト:状況と影響

In featured, Uncategorized by exporter

 

情報元: VOX

2020316日現在:COVID-19検査者数:

  • 検査済: 13,026

  • 感染者数: 1,496 (未発症者・発症者共に含む)

  • 死者数: 24

情報元ToyokeizaiMHLWJapan TimesVox

韓国など集中的なCOVID-19集団検診および検査プログラムを展開している国と比較して、日本はこれまでのところ、多くの検査を実施していません。韓国の20万人以上と比較して、日本では厚生労働省によると、3