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Safecastによる海藻採取の試験的調査について

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福島第一原発の事故で放出された放射能の大半は(約80%とも言われています)、海に流失したというのは既知の事実ですが、地上にで生活している者にとって、これは不幸中の幸いであったかもしれません。そして、その放射能が食物連鎖の中に入り込んできているのかどうか、確実なことは分かっていません。
海藻は人間だけでなく、いろんな生き物たちも食べるので、食品の放射線量を測るうえで適材かと思います。 ウースター工科大学のマルコ・カルトフェン先生のご厚意により、我々が採取した海藻サンプルを使って様々な検査を実施してもらいました。


地図の説明:赤いマーカーで記された所はサンプルの採取ではなく停止した地点で、緑色の印がサンプル採取の行われた地点となります。各マーカーの上をなぞるようにマウスを移動させると(あるいはマーカーをクリックすると)、簡単な説明と画像が表示されるようになっています。
採取場所の地図リンク

海藻は通常、船に乗って沖へ出てから採取しますが、セーフキャスターのジョナサン・ワイルダーとジェレミー・ヘッドリーは、2014年、春分の日の週末に東京から福島に向けて車を北上に走らせて福島に向かい、岸辺からできる限り多くのサンプルを持ち帰ってきました。
採取した海藻サンプルは、岩礁で生育していたもの、海岸に打ち上げられたもの、または、土産物店で食材として販売されていたものです。
二人の課題は、セーフキャストのプロジェクトとして、福島第一原子力発電所を中心点とした南北200キロメートルに渡る距離を1キロメートル間隔で海藻サンプルを採取しました。それは放射能検査のサンプルとして有効なものが陸からも効率的に収集できるかどうかを確認するためでした。

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ほとんどの海岸線は、復興の真っただ中でした。いろんな場所で海藻が見つかりましたが、海藻に近づくことはできませんでした。この日はたまたま満潮時刻が早かったのと、終日の高波も物理的な障壁となり、海面に近づくことができなかったからです。

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最初に海藻を採取したのは、1.5メートルほど飛び降りたところにあった、滑りやすいテトラポッド上でした。
サンプル採取はなかなか難しく、片手で海藻を搔きむしり、もう一方の手で握っていた袋にそれをすくい取って入れるという作業となりました…。

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… 採取した海藻を波にさらわれないように。

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浜辺に打ち上げられた海藻は、ごくほんの少ししか見つかりませんでした。これは海から50メートルほどのところに打ち上げられたものですが、湿った海藻の場合、1回のサンプルに必要な量は280グラムなので、この量では全く足りず、採取しませんでした。

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完成してまだ日の浅い港なので、一艘の船も碇泊していません … 。

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サンプルに最適な海藻を海中に見つけた、と思ったのですが……。

選択肢の一つとして、私たちのどちらか一方が海に飛び込んで採ってくるというのもあったのですが、海水はまだ冷たく、しかも遊泳禁止となっているこの場所から飛び降りてしまうと、戻ってくるのは不可能なのでやめました。

出発前に機転を利かせて、ウェットスーツや足ひれ、魚の陸揚げ使うさおなどを持ってくれば役に立ったでしょうし、長めの植木ばさみや剪定ばさみなども持ってくれば良かったのですけれども……。
実際のところ、何も持ってこなかったので、セーフキャスト魂に意識を集中させ、辺りを見回し、海藻を引き上げるのに役に立ちそうなものはないかと探してみました。
港周辺は整然とした状態でしたから、何かが落ちているとはそれほど期待していませんでしたが、それにしても網や棒、竿など周辺に転がっていても良さそうなものは全く見当たりませんでした。
ところが、一対の古長靴と……、片方に長い糸がついていてもう一方に鉄の重しがついた長い竹竿(写真の左上)が見つかったのです。
竹竿を見つけた瞬間、まさにその海藻を取り上げるのに最適な道具が横たわっていたので、目を疑いそうになったのですが、残念なことに、海藻はあまりにもしっかりと根を這っていて海底から引き剥がすことはできませんでした。

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成果が得られない無駄な立ち寄りが続きましたが、サンプル採集初日の終わり間際に、昔ながらの日本的な景色を目にすることが出来たのですが(風景がつまらないというわけではないのですが)、その日訪れた多くの場所と同様、海藻に近づくことは出来ませんでした。
橋を渡って離れ小島に渡ることは禁じられていまいた。それはおそらく2011年3月の津波で損傷を受けて以来、未だに修復されていないからではないかと思われます。
橋は掛かったままで、海藻も見えたのですが、波がまた高くなっていて採取することはできませんでした。

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2日目は天気に恵まれ、海も穏やかでした。(ここも防波堤設置工事中であることは明らかです。)この場所からも海藻は採取できませんでした。

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時折、波が押し寄せ、テトラポッドの半分ほどまで海水が被ったりしましたが、この場所の海藻は比較的簡単に採取できました。

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このボートの進水路からは、2つの海藻サンプルを収集しました。
ひとつは先端に生息していたもの、もうひとつは、恐らく海藻農家のところから流されてきたもののようです。

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2日目の終わりには、立ち寄った箇所全部の16%に相当する地点から10個のサンプルが集まりました。
海藻を乾燥機を使って乾燥させ、検査用にマルコ・カルトフェン氏の元に郵送しました。
試験的調査の結果は、 「どのサンプルも放射線量は均等に低く(1キロに対し、一桁レベルのベクレル数値)、検出はされなかった」でした。
全ての調査が完了したら、またセーフキャストのブログで更新します。

まとめ: 海岸でのサンプル収集試験的調査に関して、冬以外の季節に、または海が荒れていないときに船を出して採集するのがより効率的であろうという結論に至りました。

作者 ジョナサン・ワイルダー

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11月4日にセーフキャスト ファンドレイジング・パーティー

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セーフキャストと過ごす夜に、是非ご参加下さい!

多くの人がご存じのように、セーフキャストの資金は主にKickstarterやGlobalGivingなどのようなクラウドファンディングやナイト財団などのような慈善団体からも臨時的な補助金をもらっています。この資金はもちろん、計り知れないほど貴重な時間や知識に貢献してきた多くの人々に充てられます。私たちは今までに募金イベントを一度も行ったことがありませんでしたが、幸いにも、東京で私たちのために企画しようと申し出てくださった方により開催されます。是非ご参加下さい。

日時: 2014年11月4日(火)19:00~
場所: 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ22階
シモンズ・アンド・シモンズ/ TMI総合法律事務所 会議室

料金: 5000円 ※軽食とドリンクが用意されます。
連絡/お問い合わせ: rsvp@safecast.orgまでお問い合わせ下さい。

(招待シートは、下部でダウンロード可能です)

TMI総合法律事務所の協力により、シモンズ・アンド・シモンズの寛大な支援を受けて、チケット販売の100%はセーフキャストへ寄付されます。

イベント情報:
当日の開場は19:00、イベントは19:30に開始です。
当日は、セーフキャスト共同創立者であるピーター・フランケンと彼の同僚たちが、セーフキャストの功績や同団体の簡単な概要と、福島周辺と日本全国の放射線に関するデータ収集の結果を提示します。放射線データ、図表化している地図、そして、ユニークな放射線計測器の実演をご紹介します。また、セーフキャストが開発中の新しいリアルタイムセンサーについてもご紹介します。これは、放射線の放出を関知する「早期警戒」システムとして、福島第一原子力発電所周辺のみならず、日本や世界各地にある原発の周辺に配備できる情報システムです。当該イベントでは、放射線、食品、健康、その他の問題を取り扱うQ&Aの時間もご用意しています。

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セーフキャストについて:
セーフキャストは非イデオロギー的かつ非営利かつボランティア中心で運営されている団体です。2011年3月の福島第一原発事故の数日間後に編成され、国内外で放射線データの最も顕著かつ信頼できる独立した情報源となりました。現在、3年以上経っても、放射線被曝に対する懸念は続いていますが、フォールアウトによる顕著な健康被害はないであろうと政府と業界が発表したことで、市民の政府や業界に対する信頼は相変わらず低いままです。市民は長期間の被曝の影響を懸念し、政府への信頼は欠いたままとなっています。同時にセーフキャストのような代替となる情報が注目されています。

福島に降下した放射性物質の正確な情報を知るため、セーフキャストは迅速に独自の専門性と経験を持つ専門家達が集まって形成されました。その中には、共同創始者である伊藤穣一(MITメディアラボ所長)や顧問であるRay Ozzie氏(Microsoft元CTO)といった顔ぶれもいます。そして、福島第一事故後、迅速なスピードで後に受賞もした検出器、bガイギーを自ら開発したのです。すべてのソフトウェアやハードウェアはオープンソース、そして、レーザーカッターやカスタムPCB製造といった新時代のDIY技術により、革新的なスピードで開発が進められました。同時に、セーフキャストは情報管理システムの開発も行っていました。これは、GPSタグ付きの放射線のデータポイントをセントラルデータベースにアップロードすることで、ウェブ上の地図とモバイル上の地図に反映させることを可能としたものです。そして、この地図がウェブ・モバイルで一般公開されることにより、誰もがどこででも情報を閲覧できるようになったのです。

Adrian Storey氏制作のセーフキャストがよくわかる3分間ビデオはこちら。

放射線データは、国内外において現在2300万データポイントを越えました。おそらくこれは放射線データの最も大規模な公共のデータセットであり、増加しつつあるセーフキャストボランティアのグループによって集められました。この情報が、原子力の議論を行う上で、双方の側の専門家たちから参照させる情報源となることを期待しています。

セーフキャスト独自のオープンソースのハードウェア・ソフトウェアとクラウドソースされた地図と放射線データは全てボランティアによって開発され、無料で利用可能で、無制限にダウンロードして使用していただくことができます。

講演者の経歴:
ピーター・フランケン(セーフキャスト創設メンバー)は、経験豊かなハードウェアとソフトウェアのデザイナーであり、マネックス証券株式会社CTO。

アズビー・ブラウン は、建築家、デザイナー、作家として活躍中。金沢工業大学未来デザイン研究所所長。

(翻訳:Kohei Watanabe)

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[gview file=”https://safecast.jp/wp-content/uploads/2014/10/SafecastFundraiserInvite-OnePage.pdf”]…
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福島第一原発で再びセーフキャスティング(再び…)

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上:セーフキャストの Mac OSX アプリ のマップは、発電所内部からの最も新しいデータをアップロードした後、福島第一原発エリアに焦点を合わせてきました。Mac OSXとiOSのマップは、線量が高いか低いによってより容易に区別できるカラースケールを適用しています。

2013年12月、Neo-Logue氏によって収集されアップロードされた福島第一原発敷地内からの初のデータを得たことに、私たちは喜びました。このブログ記事では、その件について書いています。

皆さんがご想像するとおり、福島第一原発敷地内への立入許可を得ることは難しいことですが、2013年12月以来、何人かのセーフキャスターが敷地内でデータを得てアップロードしたことを私たちは喜んでいます。いずれの場合も、Neo-Logue氏のようにジャーナリストだったり、プレス関連の同伴者として行きます。ジャーナリスト達はしばしば、個人の線量計を持ち込むことを許可されており、そのような理由からビーガイギーが持ち込まれたのです。プレス関係者との会話によると、TEPCOは今年の早い段階で、ジャーナリスト達が個人の線量計を持込むことに対して許可を与えるようになったようです。もちろんジャーナリスト達は、防護服を着ることを命じられ、所定のルートに沿って慎重に案内されました。

現地でデータを収集する第二の機会は2014年1月でした。PBS(アメリカの公共放送サービス)の科学ジャーナリスト、マイルズ・オブライエン(Miles O’Brien)氏のシリーズ番組 のため、技術的なアドバイスを提供し続けているセーフキャストのジョー・モロス(Joe Morross)は、カメラマンとしてマイルズ氏と共に現地で過ごしました。取材ツアーには4号機の使用済み核燃料プールの領域も含まれていました。マイルズ氏とジョーは二人ともビーガイギーを持っていました。

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キャプション: Ranga Yogeshwar氏(右)とReinhart Bruning氏(左)、福島第一原発へと訪問する前日に飯舘村にて。

最近では、今年の9月11日に、科学ジャーナリストRanga Yogeshwar 氏とドイツの公共テレビネットワークWDR/ARDのプロデューサーRheinhard Bruning氏が、二つのビーガイギーを持って、福島第一原発内で多くのデータを収集しました。Ranga氏は物理学者で、市民科学の第一人者であり、それに加えて、ドイツのテレビで最もよく知られているコメンテーターの一人です。Ranga氏は、今年始めに私たちのプロジェクトを初めて知って以来、とても熱心なセーフキャスターであることに私たちは感激し光栄に思っています。
Ranga氏は自らビーガイギー・ナノを組み立てて改造しました。そしてRheinhart氏は福島第一原発を訪問するために、長年セーフキャスターであり映画監督でもあるマイケル・ゴールドバーグ(Michael Goldberg)氏からビーガイギー・ナノを一つ借りました。マイケルはこのドイツのテレビチームをサポートしていて、自らもビーガイギー・ナノを組み立てています。

福島第一原発のRanga氏のデータ
上に同じくRheinhart氏のデータ

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キャプション:上の4つの図は同じエリアの比較です。福島第一原発のデータは今日までに4度のアップロードで収集されました。4つのグーグルアースのスクリーンショットにおいて、測定値はグレーの点(確認することが難しいですが)が最高範囲を示しています。赤が最高に高く、その次がオレンジ、黄色は低めです(クリックすると拡大します)。

1)Neo-Logue、2013年12月; 2)Miles O’Brien とJoe Morross、2014年1月
3)Ranga Yogeshwar、2014年9月; 4)Rheinhart Bruning, 2014年9月

彼らボランティア達すべてが、同一の場所からデータを取得したわけではないので、彼らの測定値を比較することは難しいです。放射線レベルは、他の地域で測定するよりも、福島第一原発敷地内では短距離範囲内で大きく変化します。全体的に見れば、敷地内のいくつかの箇所では毎時1マイクロシーベルト以下で、敷地内の西半分においてよく往来する道路のあるエリアは通常毎時3〜5マイクロシーベルトであり、ほとんどのエリア、とりわけ原子炉建屋付近や海岸付近は毎時20〜40マイクロシーベルト程度であるといえます。ジョーとマイルズ氏はタービン建屋の海側で最高で毎時146マイクロシーベルトの線量を記録しました。Neo-Logue氏はその2ヶ月前、同じくタービン建屋の海沿い近辺で毎時203マイクロシーベルトを計測しています。それでも、こうした記録が福島第一原発の最高値ではないことは明らかです。TEPCO独自の調査も含めた他の調査では、3号機付近の外で毎時1 ミリシーベルト(1000 …

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2000万点突破!

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Growth of Safecast Dataset

数日前、セーフキャストは新たな節目に到達しました。集積データポイントが2000万点に到達したのです!

上記のグラフを見ると、点はゼロから始まり、1000万のデータポイントを収集するのに7ヶ月かかっています。2011年4月半ば、私たちが開発した初めて行ったGPS付きデータ収集の取り組みでは、メドコム社の放射線計測器インスペクター(Inspector)とiPhoneを組み合わせたものを使用していました。4月23日までには最初のビーガイギー(bGeigie)が使用され、東京でのテストが成功したその日、私たちは次の目的地である福島に向かいました。これらユニットの3つ、私たちが「ビーガイギー・クラシック」と呼んでいるバージョンは、この時に作成されました。すぐ後に、さらにコンパクトな型を開発し、計測に使うようになりました。2011年6月に34台のビーガイギー・ミニを、そして同年10月には36台のビーガイギー・プラスを生み出し、この頃に集積データポイントの数は100万点に到達したのです。
1年後の2012年11月には、集積データポイントは500万点になりました。このときまでに、ビーガイギー・シリーズでは最小サイズのビーガイギー・ナノ(bGeigie Nano)の試作品が数台組み立てられ、テストされました。初期の試作品のうち1台は2012年8月にチェルノブイリへ行っています。最終版の試作品が世界中のボランティアの手に渡った2013年6月、データポイントは1000万点に到達しました。
たった1年でデータポイントが2倍になったことに、私たちは感激しました。
 
SAFECAST タイルマップ

この成功は、私たちのボランティアの方々の努力のおかげです。現在、世界中に約400台のナノが出回っています。(しかしながら、私たちは実際のところ、どのぐらいのナノが実際に使用されているのかを知るすべはありません。いくつかは未作成で使用されていないのではないかと推測しています。)私たちのAPI (データアップするシステム)では567人のユーザー数を示しており、その内387人のユーザーは一度はデータをアップロードしています。データのほぼ4分の3は10人の最も活動的なボランティアによって収集されています。 本当にGLCの皆様には感謝の意を表します。 GLC社は日本のあらゆる道路を走り、その車には常にビーガイギーが搭載してくれていました。彼らは、実に600万点のデータポイントの収集に協力してくれています。KM会津は170万点のデータポイントを収集してくれた、もう一つのとても活動的なボランティアグループです。もちろん、私たちはこのような非常に活動的なボランティアに出会えて嬉しく思っていますが、これは競争やコンテストではありません。すべてのボランティアの方々のご協力を同様に有難く思っています。

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上:セーフキャストが計測を行った国

セーフキャストが放射線計測を行った国は着実に増えています。メンバーのLionel Bergeretが、国別の内訳を示す地図を作成してくれました。この地図では、全体のデータの約75%を日本が占めていることを示しています。これには誰もが納得するでしょう。
次に多いのは米国で、200万点以上のデータポイントがあり、全体の約13%を占めています。セーフキャストのデータベースには、現在、ヨーロッパのほとんどの国、アフリカ、アジア、アフリカ、アジア、中東、南アメリカなど、全部で54カ国のデータが含まれています。 その中には 南極 からのデータもあります。

私たちは、固定センサー、nGeigie(エヌ・ガイギー)のネットワークシステムも着実に構築しています。現在では、日本と米国で数点の固定センサーがつながっています。固定センサーの情報もセーフキャストのタイルマップに掲載されています。緑のアンテナのアイコンをクリックすると、時間を基準にした最近のデータグラフが表示されます。 また、エアークオリティセンサー(セーフキャスト・エアー)の開発も続けてきました。オープン性がどれほど成功のために重要なものなのか、どれだけ強調してもたりません。誰もがセーフキャストのデータをダウンロードすることができます。そのデータを使ってやりたいことをしていただけます。セーフキャストのハードウェアもソフトウェアも設計はオープンソースであり、無料で利用できます。セーフキャストのiOSアプリも無料です。ビーガイギー・ナノ・キット を入手してもらうには費用がかかりますが、この このレビューの作者 のように、自分でキットの部品を調達し、自分でハックしてキットを作ることもできます。その際にかかる費用はほとんど同額になると思います。

もしまだ疑問を持たれる方がいらっしゃれば、セーフキャストがこの信念を貫いていく姿をみていただければと思います。福島の災害はあらゆる人の行動をある意味で促進しました。
しかし、私たちの議論が増えるにつれて、長期間にわたっての環境モニターの必要性でした。どのようにして地球規模で可能な限りの基本的な地域をカバーするか、どのように迅速かつ効果的にコミュニケーションをとるか、そして何よりも、どうやって人々と一緒に目標に向かって動けるだろうか、ということでした。
セーフキャストは私たちすべてを変えました。そして、成功は強力なモチベーションとなっています。しかし、たとえ誰もが見向きもしなかったとしても、セーフキャストは行動していたことでしょう。
(翻訳: Kohei Watanabe, Kiki Tanaka)


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今月注目のデータ・アップロード

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上図: SAFECAST API (セーフキャス・トエーピーアイ)上では、アップロードされたデータがこのように表示されます。

計測されたデータがアップロードされると、いろんな理由で非常に興味深いと感じることがあります。ですので、今日はデータ・アップロードに関して取り上げてみたいと思います。題して、「今月注目のデータ・アップロード」

bGeigie Nano (ビーガイギーナノ)ユーザーであり、かつ、米国のNPO団体、Beyond Nuclear (ビヨンド・ニュークリアー)の中心メンバーであるケビン・キャンプス氏が、先日、以下の説明を添えてデータをアップロードしてくれました。
「ヴァン・ビューレン州立公園敷地内にあるエンタジー・ニュークリア・パリセーズ社の原子炉北部周辺を歩く。 」
この場所は、米国ミシガン湖畔にあるサウスヘブンというところに位置しています。

原子力発電所近辺の放射線レベルに関して、多くの人が懸念を示していますが、信頼できる、単独で実施された調査結果はほとんど見当たらないので、どこまでが正常値で、どこからが問題なのか、ということはなかなか分かりません。でも、セーフキャストのボランティアになれば、迅速、かつ手軽に調査を行い、このように計測値をアップロードすることが出来ます。より多くのデータが一般公開されれば、気になる地域の放射線レベルの基準値(ベースライン)を見出す手掛かりになります。今回のbGeigie Nano 調査では、若干高めの数値が計測された地域も数か所見つかりましたが、大半の場所は25-40CPMの数値内にあることが分かりました。この地域のデータはまだ限られているので、今回計測されたデータと比較することはできませんが、特に問題があると思われない、正常な範囲内の自然放射線レベルの数値であるかと思われます。

This is the upload as it appears in our new web map.
データがアップロードされると、このようにセーフキャストの最新版Webマップ上に表示されます。

それから、もう一点、私たちが今回のデータ・アップロードに関して嬉しく思うのは、Beyond Nuclearが、今年4月にワシントンDCで開催されたbGeigie Nano 製作ワークショップに参加してくれた、数ある団体の一グループだったことです。ワークショップでの労力が、このような形で具体的な結果に繋がっているのを目にすることができ、とても嬉しく思います。
翻訳:Akiko Henmi…

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IAEAでセーフキャスティング

In ニュース, 主要記事, 放射線 by azby

1日目、2014年2月16日

ジョーと私、アズビーは、今週月曜日にウィーンで始まる国際原子力機関(IAEA)の専門家会議に出席します。

この国際会議に関する情報(英語のみ)は、以下のリンクから見ることができます。
福島第一原子力発電所事故(IEM6)後の放射線防護に関するIAEA国際専門家会議、2014年2月17日〜21日、オーストリア、ウィーンにて

私たちが会議に参加すべきかどうか、かなり議論を重ねてきたのですが、それには様々な理由がありました。セーフキャストがこの会議に参加することで、何ら建設的な対話を交わさなくとも、IAEAがどの団体に対しても「受容的」で「公平」であるかのように見えてしまう可能性があるのではないかと考えたからです。また、私たちが会議への参加に同意することで、私たちセーフキャストの独立性が危うくなると人々に思われることがあれば、会議への参加は私たちにとって逆効果になりうることも認識していました。
しかし、私たちに連絡をくれたIAEAの職員とのやりとりは驚くほど率直で、IAEA内部の職員の多くがセーフキャストの実施してきた活動に深い興味を持っていることを知ったので、セーフキャストの方法論や調査結果を知らないIAEAの専門家たちがいれば、セーフキャストから学び得ることがあるのではないか、という印象を受けたのです。IAEAの職員も、セーフキャストが批判的なことを沢山述べてくれるのでは期待していたようでした。その一方で、会議の主催者は、私たちセーフキャストを招聘することで、主催者自身、批判の矢面に立たされることにもなったのです。というのも、私たちは原子力の分野では正当な専門家として「認められていない」からです。

会議はあと数時間のうちに始まります。セーフキャストがこの会議に参加したからと言って、何かが速やかに、一気に変わるとは思っていません。しかし、これは高レベルの専門家達に自分たちの批判的な見解を聞いてもらえる貴重な機会であり、こうして参加すれば、独立した第三者的団体の意見も受け入れられたという前例のないケースになると思うのです。

Vienna as a whole has very normal levels of ambient radioactivity, but the granite base of the statue of Goethe is a bit hot.
[ウィーンは全域に渡って環境放射能は極めて正常なレベルですが、花こう岩で作られたゲーテ像の土台部分の放射線量値は若干高めです。]

2014年2月17日 第2日目

会議は午後から始まりました。登録手続では、かなり厳重なセキュリティを通るようになっており、その後、写真付きのIDバッジが渡されるようになっていました。今日のプレゼンテーションの大半は、これまでの政府や規制機関の活動概要の説明、環境、除染、健康等の現状について、人々に最新情報を伝えることを主目的としていました。原子力規制委員会(NRA)、日本原子力研究開発機構(JAEA)、そして放射線医学総合研究所(NIRS)から来た日本の代表者たちによる発表もありましたが、すべて英語で行われたので、大変だと感じた人もいたかもしれません。今までの成り行きを間近で追い続けてきた私たちには、彼らのこれまでの展開の基本的な概要に関するプレゼンテーションを聞いても、目新しい発見は特にありませんでした。

第二部のセッションでは、世界保健機関(WHO)、原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)、国際連合食糧農業機関(FAO)、経済開発協力機構(OECD)の代表者による発表がありました。 WHO の Emile van Deventer氏と、UNSCEAR の Malcolm Crick氏は、各々が所属する機関がリリースした報告書(あるいは間もなく発表する予定)について概要を説明し、長時間を掛けて、どのようにして WHO や UNSCEAR が外部の人たちと関わりながらも任務を遂行し、内部で情報収集するのか説明していました。目新しい内容の発表はなく、WHO の福島に関する追加的な報告書の発表もありませんでした。UNSCEAR による長いこと先送りになっていた健康の影響に関する報告書は、最終的に2014年の4月2日に公表されるとのこと、また、IAEA による報告書は2014年度末にまとめられ、2015年半ばに公表されることが明らかになりました。

繰り返しになりますが、その発表内容のほとんどは組織についてであったり、回顧的なものであり、重要な部分はほんの少ししか明らかにされませんでした。国際原子力機関(IAEA)の Miroslav Pinak氏は自らのプレゼンテーションで、IAEA がしきい値無し直線(LNT)仮説(モデル)の原則を使っており、わずかな被ばくであっても健康面にリスクがあると明確に述べていました。発表後に、私は UNSCEAR の Malcolm Crick氏に、これらの報告書が実際に集団線量推定値を支持すると捉えていいのか、また、線量・線量率効果係数(DDREF、ここでは、DDREFの1を採用している)を放棄すると見ていいのかと尋ねると、彼はその二点について、「そうだ」と明言しました。また、何人かの発表者は、全体として線量評価、リスク評価法が一般市民にとって非常に紛らわしく分かりづらくなっており、積極的な見直し、あるいは何か他のものと置き換えられる必要があるのではというコンセンサスが大きくなっていることに触れていました。私たちがこういった問題点をはっきりと認識できるようになれば、事態解決への大きな第一歩に繋がるのでは、と思っています。

こういった会議では、参加者同士が既に長年の知り合いであることが多く、そのため、あるクラブ会員のような排他的な雰囲気が若干感じられました。同時に、そういった雰囲気であるからこそ、外交的ではありますが、率直な意見交換が可能でもあるのです。一方で、複数の発表者が、福島の事故後、(人々への放射線量を最小化するという意味で)放射線防護に関しては功を奏している一方で、事故を未然に防ぐための規制防護は情けないほどに失敗してきたと話していました。その上、事故関係者、当事者間による連絡などの意思疎通がうまく取れていないことも複数の発表者によって示唆されました。もちろんこれは、私たちセーフキャストのプレゼンテーションにとって明らかな推進力にも繋がります。自画自賛はさておき、誰一人として、(原発事故後の)風向きがほとんど海方面だったので日本人は本当にラッキーだった、そして、だからこそ防御法が何であれ、良い結果に繋がったのだ、などと言う人はいなかったように記憶しています。

この日は、歓迎会で締めくくられ、大勢の人々と言葉を交わす機会に恵まれました。Malcolm Crick氏は、UNSCEAR内にもセーフキャストのファンが多くいること、そして彼らは公式データを照合検査するために、セーフキャストのデータセットが便利であることに気付いている、と私たちに話してくれました。甲状腺疫学者、Peter Jacob教授と話をする機会もありました。彼は、どのぐらい多くの甲状腺癌の症例が最終的に福島県で発見されることになりそうかを推測し、その解釈の仕方を説明した論文を最近発表しています。
私たちは伊達市の仁志田昇司市長にもお会いすることが出来ました。仁志田市長は、個人線量計とホールボディーカウンター(WBC)スクリーニングを通して、伊達市民全員の線量測定をとても積極的に時宜にかなった形で実施した方です。仁志田市長も他の日本人出席者も、ジョーと私が日本語を話すことに驚いていました。このような会議で日本語を話す人に出会うというのは、ほとんど皆無なのでしょう。…

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福島「地下核の爆発」デマ

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ここのところ、私たちは福島関連のデマが相次いで流布されるのを見てきましたが、その一つに、ロシア海軍が12月31日に福島で2回の地下での原子爆発を検出し、ロシア政府に保護措置の発令を促したと主張しているものがあります。私たちは、それについて心配している人々や、その他の驚くべき (そして真実でない)物語を聞いた人々から、メールをたくさんもらいました。

これは、よく知られた 陰謀寓話作者、 古代の終末論的な宗派の指導者の完全な作り話と、誰もが言うことができるでしょう。この話の作者はユーモア作家と考えた方が良いと思います。

「機能不全の日本原子力発電所での地下核爆発が世界を震撼する」 という物語は、1月2日に現れ、すぐに広く閲覧されているニュースサイト にまとめられました。そのサイト自体、白人至上主義者とつながりを持っているHatewatchブログであると南部貧困法律センターが主張しています。同じソースから他にも 「米国の地震兵器テストが再び失敗、ニュージーランドの市を破壊」といった意図しないにせよ楽しい記事を発表しています。

この「地下爆発」の記事には、その主張を裏付ける実際の引用や情報ソースが含まれていません。「爆発」の写真が含まれていますが、これは実は2011年3月の3号機のものです。「死の灰マップ」も含まれていますが、それ自体が2011年の以前に登場した際に直ちにデマとして暴かれたものです。その他にも私たちが以前に見たことがない、想定される「福島メルトスルーのポイント」を示すアルゼンチン沖大西洋の地図が含まれています。著者にユーモアのセンスがあることを証明している、と考える人もいるかもしれません。

この話はそこから、多くの人たちから読まれているサイトに広がりました。証拠が全く存在しないにも関わらず、全くもって真剣に取り上げられたのです。その中には、昨年 The Onionというデジタルメディア に 叩かれたFARS通信社 という半官的なイランの組織も含まれています。

一部のサイトでは話を少し 再加工 して 、他の根拠のない噂をいくつか組み合わせ 、または話をエスカレートして、「プーチンが地図から福島を一掃することを命令」 という記事を流布しています。

Snopes.com は、最終的に1月5日、この話を ナンセンス と呼び、プロの陰謀サイトがこのような全く根拠のない話を繰り返していることを鑑みて、 「このような題材が、複数の合法的なニュースソースによって報告されていることが誤解を招く印象を作る」とコメントしました。

ここに皆さんに心に留めておいて欲しいとても重要な教訓があります。Webサイトが正当なニュースを報じているように見えるからといって、それが実際にそうだと意味するものではない、ということです。それらの多くは事実確認を全くしていませんし、クリックしてもらえるものなら何でも公開します。すなわちトンデモないものほど世に出るのです。Caveat Lector―読者の皆さんご注意ください。(翻訳:Mikiya Inoue)…

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Internews highlights the work of Safecast

In ニュース by azby

Internews, an international non-profit formed in 1982 with a mission to empower local media worldwide, has been doing important and groundbreaking work in areas such as medial law and policy, expanding access to information, and delivering innovative media solutions. The …

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グローバルサーベイ株式会社による観測、100万地点を突破!!

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Safecasters Joe Moross (far left) and Pieter Franken (far right), flanking GLC’s bGeigie team.

グローバル・サーベイ株式会社(略称「GLC」)は、2005年より日本の道路の地図化をおこなってきました。彼らのデータは相当数の特別なアプリケーションと同様、多くのカーナビゲーションシステムにも使われています。例えば、2009年より、同社は電磁波の強さを測定し、地図化することで、顧客がラジオ放送用アンテナやワイヤレスLANの最適配置できるように、また、携帯電話事業者の位置の正確性を改善してきました。つまり、GLC社にはすでに不可視の環境データの収集経験があったというわけです。

GLC website

きっかけは、幸運にも、2011年8月にプロジェクトへの物質的な援助もしてくださった慶応大学の村井純教授チームメンバーの古谷知之教授が、セーフキャストにGLCに紹介してくれたことです。その年の9月初めまでにGLCはbGeigieを道路地図化に着手し、すぐにもう2台を依頼されました。1年間の間、3台のbGeigieで得た結果は非常に素晴らしく、私たちは2012年12月にもう10台を提供しました。GLCは最近、100万地点の測定記録を突破し、セーフキャストの中でもダントツに豊富なデータ収集ボランティアとなりました。私たちは彼らが放射線データを収集にかけてくれた時間と努力にとても感謝しています。

このプロジェクトのGLCの窓口である、中島栄則さんは「3/11以降、日本のとても多くの人が窮地に陥り、私たちの会社でも、何かをしたいと思っていました。私たちがセーフキャストのbGeigieシステムのことを聞いた時、非常に感銘を受けました。誰でも車に搭載するだけで使えるのです。私たちは支援できたことをとても嬉しく思っています。」

bGeigieを搭載したGLCの計測車両

GLCによれば、日本の主要道路全てを年に3回計測しようとしており、残りの道路についても少なくとも年に1回は計測しようとしているとのことです。所有車14台のうち、7~8台は常に走行しています。多くのbGeigie装備の車が絶えず縦横無尽に走っていれば、GLCはじきにセーフキャストに対して、月間50万ポイントの測定値を提供できると想定しています。
そうなったら、私たちは皆「ヤッター!!!」と言います。…

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情報、誤報、偽情報(または『これはおまえさんたちが探しているドロイドではないぞ』――スター・ウォーズ エピソードIV/新たなる希望より)パート1

In Hardware, センサーネットワーク, ニュース, 主要記事, 放射線, 測定 by azby

Whose job is it to make this stuff easy to understand?

「探しものが必ずしも見つかるとは限りません… 」

[パート2へ移動]

セーフキャストでは、当初から、収集するデータは正確で分かりやすく、有益かつ上手に可視化され、誰もが簡単にデータ・アクセスできるべきだと考えてきました。これは多くの点で、情報デザイン、並びに社会的責任を果たすというビジョンにおいて、模範事例(ベストプラクティス)となっているかと思います。

その際、セーフキャストのデータのオープン化と透明性が最重要とされてきています。我々のデータの表示方法は、直観的かつ、思慮深さがあること、コンテクスト(背景情報)も提供することを原則としており、さらに、デザイン的な美しさも追求しています。

求めている情報が誰にでも簡単に見つけられるように、内容もできるだけ分かりやすく伝えられるよう心がけてきました。このような価値観と相反する形で、諸公機関から公式情報が発表されるたびに、私たちは戸惑いを覚えます。

率直な感想として、原発事故が起きてからの最初の数週間、政府は失策を続け、全くと言っていいほど情報が欠如した状態が続いたので、一般市民は政府が発表する情報の質やアクセスしやすさといった点では、かなり妥協せざるを得ませんでした。政府による情報提供は当然の義務であり、法的にも義務付けられているはずなのですが、結論から言うと、私たちセーフキャストの多くは一生懸命に放射能情報を収集し、事実確認を重ねてきました。まずここでは簡単な近況報告をします。

(1)政府は予想以上に多くの情報を持っている(以前は私たちが全く期待していなかったのですが…)

(2)しかし、依然として情報の内容確認、事実確認が必要で、政府サイドではない第三者による調査が必要である

(3)何カ月もかけて調査しても、依然として情報収集のためにすら近づけない地域がある

さしあたって(2)と(3)については仕方がないとしましょう。つまり、セーフキャストは今後も引き続き調査していかなければならないということになるのですが、こういった調査は得意としていますし、モチベーションの高いメンバーが揃っているので、今のところさほど大変なことではありません。調査も精度を増し、信頼も築きあげ、かつては敵対した立場にあった人たちとも同志となりました。

しかし、そうは言っても、(1)に関しては、セーフキャストとしても、今後どのように対応していけばいいのか非常に悩むところです。様々な公式情報が入手可能となりました。また、その多くは信頼できる内容です。

しかし、分かりやすく有益な情報に簡単にアクセスできるようになったとまでは言えないのが現状です。今のご時勢、腕の良いウェブ・デザイナーや有益な情報を見つけるのは容易なはずですが、文部科学省(以下、文科省)のウェブサイトは利用者にとって、「できるだけ難しく、使いにくい」(as difficult as possible – 略して “ADAP”)作りになっています。ですので、そこから情報を見つけたり、データを使用することが非常に難しくなっています。ウェブサイトの担当者が良い仕事をしようと心掛けてくれれば、もっと上手な形で情報公開できるはずなのですが…。…

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情報、誤報、偽情報(または『これはおまえさんたちが探しているドロイドではないぞ』 - スター・ウォーズ エピソードIV/新たなる希望より)パート2

In Hardware, センサーネットワーク, ニュース, 主要記事, 放射線, 測定 by azby

文部科学省の放射線モニタリングポスト、通称「ドロイド」。この写真のドロイドはNEC製造でごく一般的なタイプです。これは会津美里町の旧赤沢小学校前に設置されているものです。

政府のモニタリングポスト

[パート1へ]
ここ数ヵ月、福島県内および福島隣県に設置された放射線モニタリングポストの精度について活発な議論が交わされていますが、セーフキャストは、この件に関して2012年7月の時点で既にブログ記事を執筆しています。

“改善された”モニタリングポストで 放射線・線量レベルをごまかす東京電力(TEPCO)

約2700基のモニタリングポスト(現時点では675基が確認済み)が設置されています。見た目がスター・ウォーズのR2D2に似ていることから、セーフキャストのメンバー間では親しみをこめて「ドロイド」と呼んでいます(上記写真を参照)。電源は装備された太陽光パネルと内蔵バッテリーから供給されます。文部科学省を介し、政府は巨額を投資して(正確な金額は定かではありませんが)モニタリングポストを設置し、更に資金を投入して空間放射線量測定値が閲覧できる専用ウェブサイトを作りました。

リンク:文部科学省 リアルタイム線量測定システム 環境放射能水準調査結果のページへ

このウェブサイト、見た目はなかなかの出来です。サイト利用者は知りたい県をクリックし、更に特定地区をクリックすると、各地方自治体を選べるようになっています。スクロール・リストが右側に現れるので、特定のモニタリングポストを選べば、その地点の測定線量値を確認することができます。(例えば、福島県郡山市の場合、393基のモニタリングポストがスクローリング・リストに表示されます。) ズームイン、ズームアウト、また、スクロールもできるGoogle Fusionマップも現れ、各モニタリングポストが丸い彩色点で表示されます。この青い点をクリックすれば、現時点での各地点の放射線量を確かめることができます。線量は10分ごとに更新されており、1ヶ月分のデータをまとめてダウンロードすることもできます。このようなデータを文部科学省(以下、文科相)が提供してくれるというのは、ありがたいことです。

その一方で、このシステムは呆れてしまうぐらい問題を抱えています。文部科学省のモニタリングポスト測定値とセーフキャストの測定値の比較調査をしていて分かったのは、このシステムでは、1回のサーチでは福島県内のごく限られた1地点の情報しか分からないという点です。ある特定の場所の情報を捜し出すにはかなりの時間がかかってしまい、イライラします。累積時間によるデータ推移を知りたくても、過去のデータにさかのぼれません。また、ダウンロードできるデータには様々な制約がついていたり、効率よく探したい場所の測定値を探し出すのが難しい作りになっているのです。そうなのです、文科省はこのシステムを 「出来るだけ使いにくいように」(ADAP:As Difficult As Possible)作っているのです。…