チェルノブイリ核災害より26年、未だ放射能の影響を受けるノルウェー

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2012 CESIUM MAP FOR JOTUNHEIMEN, NORWAY

チェルノブイリ核災害から26年が経過しました。ヨーロッパの多くの国々が放射性降下物の影響を受けました。チェルノブイリから約2500km離れたノルウェーもそのひとつです。

2012年5月18日、ノルウェー放射線防護局(NRPA)は、(”巨人の家”を意味する)ヨートゥンハイメンと呼ばれる中央ノルウェーの(3000平方kmに及ぶ)山岳地帯の新たなヘリコプター調査の報告を行いました。ヨートゥンハイメン山地には、北ヨーロッパ最高峰の山(ガルフピッゲン 標高2469m/8100feet)、そして、約7500頭のトナカイの餌場となっている Valdresflyeと呼ばれる大高原があります。

何年にも渡り、トナカイは放射線含有量を監視されてきており、食糧消費にはあまりにも放射線含有量が高いと考えられる動物は食肉用処理から除外されました。

2012年5月に発行されたヘリコプター調査は、実際は2011年の秋に行われたものであり、Valdresflye高原の東部では、セシウム137が1平方メートルあたり70キロベクレルという結果でした。この結果は非常に高いとみなされるレベルであり、食糧生産に適さないものです。

研究者達は、1986年の実際の放射性降下発生時を逆算(推定)も行いました。セシウム137の半減期が30年であること、当初の降下には2年間の半減期のあるセシウム134も含まれており、降下のある部分は洗い流されてしまっていること、さらに、トナカイが地表面から食べることにより、降下のある部分は取り除かれているといったことを考慮しました。その結果、1986年の実際の地表汚染はセシウム137で1平方メートルあたり約300キロベクレルであったと結論づけました。研究者の Lavrans Skuterudは、この値は(ホットスポットを除いて)ノルウェーの広範囲にマッピングされた最も高い放射線量であるとコメントしています。

研究者でチームリーダーのJan Steinar Rønningは、同じ山岳地帯のある地域では、1986年のチェリノブイリの核災害発生後直ちに調査が行われましたが、当時はセシウム降下とトリウム、カリウム、ウランのような地殻の自然放射線源とを識別可能な装置は無かった、と述べています。新しい地図により、放射線降下に関するそれまでの認識を裏付ける、また、同様に反証となる、非常により正確な情報が提供されるのです。

2012年夏には、植物と地殻種別について追加調査が行われます。ごく限られた量の降下でも、放射線降下に対してより脆弱な(影響を受けやすい)地殻の地域においては、さらなる植物汚染を引き起こす可能性があることがわかっているからです。

調査組織はまた、更なるヘリコプター調査をチェリノブイリ核災害後の大量のセシウム降下にさらされたノルウェーの他の地域(北トロンデラーグや南ヌールラン)に実施するための資金調達を行う意向を表明しました。

(著作権:この記事はSTIG BJORGEにより調査・翻訳されたものです。別のフォーラムへの再投稿に興味を示して下さった方が快くセーフキャストを通じてまず私に連絡をくださったことにお礼申し上げます。地図・画像とオリジナルのノルウェー語のテキストの著作権はNorges geologiske undersøkelse (NGU)に帰属します。)

参照:
Norges geologiske undersøkelse (NGU)
The Norwegian Radiation Protection Authority (NRPA)

記事中に記載された山岳地帯に関して
Valdresflye
Jotunheimen
Galdhøpiggen

著者: the Stig
翻訳:Toshiyuki Arai