福島市の Safecast ボランティア S. H. さんからの報告

In ニュース by megumi

[ これは福島市にお住まいのボランティアによるゲスト記事です。]

福島市は今現在も低線量の放射能を浴び続けており、多くの人々が不安のなかで生活しています。

福島市では原発事故が起きてからあまりにも無防備な状態が長く続きました。事故発生以来、国や県、市が発表する限られた地点の計測値だけが頼りでした。子供の健康被害を考えた時、まず私は数値の正確さよりも身の回りのいわゆるホットスポットの存在を知ることが先決だと考えていました。すでに私は中国製のガイガーカウンターを所持していましたが、それも事故後 1 ヶ月が過ぎてようやく手に入れたものでした。目に見えない放射能への疑問、不安をある程度解消することができたのはその中国製カウンターのおかげです。

しかし、大まかな線量を知った後は、次第にもう少し正確に計測することの重要性を感じてきました。そんな時にいわき在住の Waterman 氏、友人の Y さんを通じて Safecast の活動を知りました。車を走らせるだけで計測でき、私が通った跡を見れば HP から周辺の値が見れるようになる。画期的だと感じました。私が計測することで市内に暮らす方々の不安の解消に役に立てればと参加しました。皆が自分の置かれた状況を知ること、理解することで次に何をすべきか判断の材料にもなるわけです。

冷たい雨の降っていたその日 Pieter さん、Joe さん、田中(キキ)さんとお会いしました。bGeigie の中に設置してある Inspector (という米国製ガイガーカウンター)の数値は中国製の線量計よりは若干高めでした。ガイガー管が大きく、計測部分の経口が大きく感度も敏感だということ、また γ 、β 、α 線を読むこと等を説明受けました。中国製のガウンターの感度は鈍いことも知りました。しかし、一般の人間がとりあえず手に入れられるものとしてはそれが限界でした。二つのガイガーカウンターの誤差は、0.14 μSv/h だと思っていたところが 0.3 μsv/h だったという具合です。不安だった誤差の懸念が払拭されました。これが 5 倍もの誤差があったとかなら、ショックで寝込んでしまったかもしれません。みなさんは室内で 0.3 μSv 前後というと 高いと感じるかもしれません。しかし、福島は事故当時は最高で 24 μSv/h ありました。今の福島市の同地点は 1.2 μsv/h です。だいぶ下がってはいるのです。この感覚は福島に住んでみないとわからない感覚でしょう。

bGeigie での計測についでですが、車への取り付け方は何度か練習しているうちに慣れます。車体に傷がつくような構造でありません。しかし、かなり目立ちます。盗難などを考えると駐車場などでつけっぱなしにはできません。計測は自分の空いている時間を利用しています。最初は近所の住宅街から始めました。福島では移動に車を使うことが多く、さほど計測は苦ではありません。買い物ついでに近くの住宅地を回る具合です。同じところをぐるぐる回り、ゆっくり20キロから30キロで走行して計測します。家に帰ると内蔵している SD カードからその日のデータをメールで送ります。一度だけ、信号待ちの間に bGeigie を取り付けている方の窓を子供が開けてしまい、下に落ちてしまったことがありました。幸い、故障はしませんでしたが、取り付け時は窓のロックをおすすめします。数日後 MAP に自分の通った軌跡がつけられたデータが上がってきます。私は自分でもその日通った道を地図にしています。計測が重ならないようにするためです。

いま 福島県でもようやく自動車走行による計測や除染活動などが始まりました。しかし、市民まで情報がわたるまでには 相変わらず時間がかかります。私たちは 前例のない先が見えない状況を生きていかなくてはなりません。福島県内をたくさんの bGeigie をつけた車が走ることが実現されればいいと思っています。そのためには多くのボランティアの協力が必要です。そして Safecast の持つ技術、知識、情報を積極的に発信し、より多くの人の目に伝わること、有効に活用されること、共有されること、それが今は一番必要だと考えています。

福島市 S. H.