In マップ, 論説 by Ed M Koziarski

私達が現在制作している、原発危機に直面する有機農家についてのドキュメンタリー「 Uncanny Terrain 」は、深刻な打撃を受けた福島第一原発から約 70 km  離れた山間の農村、福島県塙町から始まります。塙町は地震、津波、原発事故による最悪の事態はまぬがれました。私達がお会いした農家の方達のほとんどは、福島産の作物につきまとう悪いイメージが、農家にとって最大の障害となっていると見ています。この地域で採取された土壌サンプルからは 250 ベクレルのセシウム 134 、137 が検出されています。これは法的な作付け制限の対象となる 5,000 ベクレルには程遠い数字です。屋外の空気は大体において毎時 0.15 マイクロシーベルトを示しており、これは自然背景放射線より 50 %高い数字ですが、より原発に近い地域で計測される線量と比較するとごくわずかです。しかし、この空中線量よりはるかに高いホットスポットが存在します。私達がある家の前に設置された石を計測した際には、1,000 カウント・パー・ミニット( CPM )弱という数値が計測されました。このご家庭には1 歳のお子さんがいます。

私達は、この土地で 9 世代、200 年にわたり農業を営んでこられた、吉田家に滞在しています。吉田さんは農薬や化学肥料を使用しない高品質の米を生産し、海外の消費者やマクロビオティックレストランに提供しています。土壌から検出された汚染濃度は低かったものの、米が汚染されるか否かは、米を育て、収穫し、分析するまで明らかになりません。このため吉田さんは、注文はほぼゼロに落ち込んだものの、5 箇所の水田に作付けを行いました。吉田さんらはこの土地に残れるかどうか確信は持てませんが、ここを離れることができるかどうかも分からないといいます。家長の吉田広明さんは、作物を販売できないとしても自ら育てたものを食べて生きていけるよう、完全な自給自足のための農地に変えていけないかと話しています。

地域の農家の方達は、同様のジレンマに直面しています。避難区域外の農家は、作物に含まれる放射性物質が政府の設定した高い基準値を超えない限り、平常通り農業を続けるように言われています。しかし、ここに住み続けることで彼らにどのような健康リスクがあるのでしょうか。また法的に定められた基準値以下の食物はどのようなリスクをもたらすのでしょうか。