ドロイドのさらなるトラブル

In ニュース by azby

上:2015年3月に福島県内に設置され、数週間後にオフラインにされた、JBジャパンブランドの77のリアルタイムモニター。南相馬市の小高駅前にあるこのモニターには“調整中”の張り紙が貼られている。

2012年12月、セーフキャストでは、政府が福島や近隣県に設置した(私たちがドロイドと呼んでいる)リアルタイム・モニタリングポストに関する問題に焦点をあてた二部構成の記事を投稿しました。その投稿では、およそ3000個もの、複数の製造業者によって製作されて取り付けられた装置について取り上げました。ハードウェア及び、その設置場所、政府が公表したオンラインマップ、そして調達プロセスに関してなどについて問題提議をしました。

特に、アルファ通信という、小規模製造業者の機器は、設置前に不適切なテストがなされた末、通信不能とされました。挙句の果て、アルファ通信は契約を破棄されるというスキャンダルとなったのでした。

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上:4つの製造会社による異なるモニタリングセンサーの外観と内観。比較的信頼性の高いNECや富士エレクトリック社製のものと比較して、JBジャパンブランド のドロイドは、デザインも作りも貧弱であり、むしろ不完全のように見える。 信頼性の問題により、2012年に設置されてこちらもすぐに通信不能にされたアルファ通信社製のモニター。

数週間前、セーフキャスター(セーフキャストのボランティア)であるジョー・モロスは、福島県内にて富士エレクトリック社が製造した機器に類似しているが、比較的無名のJBジャパンブランドという会社製の新しいリアルタイムモニタリングポストをいくつか見つけたといいます。ジョーは実際、モニターに近づいてよく見てみたが、特に目立った特長はなかったと言っています。

しばらく後に、私たちが聞きつけた噂では、モニタリングポストはなんらかの大きな問題が生じ、それから突然オフラインに切り替えられたということでした。

それ以来、その問題について、地元紙や一般紙やブログ、ツイッターで記事やコメントが掲載されていました。

状況をまとめると、JBジャパンブランド社は、福島を拠点とした小規模の会社で、異なる放射能検知機器をJB ジャパンブランドとして販売しています。同社は2014年後半に福島県から5200万円の注文を落札し、77機の新しいモニタリングポストを県内の7つの地方自治体に配置した、ということです。

それらは2015年3月末までに設置され、テストとしてオンラインに(接続)されました。

3月30日、オンラインマップのデータ配信を行う原子力規制委員会(NRC)は、77機器中13機はデータを通信していないことを発見しました。NRCは、福島県の担当者にメールで通知しましたが、担当者は上位層や他のチームメンバーにその問題について知らせず、何のアクションもとられなかったようです。

その直後、4月3日前後に、市民により、通常の1000倍以上という高い値を示す異常値を含む、多数の異常値の情報が報告されました。担当責任者らは、この問題を正しい形で取り扱うことなく、問題の公表自体もネット上のコミュニティが「放射能異常値」に関した記事を投稿して騒ぎ始めるまで、何ら行われませんでした。

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上:JBジャパン社のリアルタイムモニターが示した、変則的な数値(jsdfq43wtr.netの資料より)

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上:JBジャパンブランド社製のモニタリングポストによる一貫した異常値を示したグラフ(ツイッターユーザー泉❀智紀(N105マスク) より)

結局、JBジャパンブランド社が製造した77機器中の30機は意味があるかのような過剰な測定値とその他の異常値を示しましたが、福島県が表示の削除を要求するまでの4月22日頃まで、それらのデータはNRCのウェブサイトに表示され続けました。

NRCはその後、ウェブサイト上から77のすべての機器のデータの削除をするよう要請され、問題が解決されないことがわかった後、福島県はJBジャパンブランド社との契約を破棄しました。

企業担当者は、報告された機器は「テストモード」で利用されており、契約が破棄されるまで技術的な問題を解決する機会が与えられなかった、また、福島県とのコミュニケーションは最初から困難で、当初から協業が欠如されていた、と話しています。

私たちが2012年に議論したように、住民は最初からこのリアルタイム・モニタリングシステムに懐疑的であり、新しいスキャンダルはシステムに対する不信感を強めただけでした。

30機から出た間違った情報が、政府のウェブサイトに数週間も表示され続けていたようです。

3年前のアルファ通信の機器の問題は、契約の責任主体であるによる文部科学省の見落としに端を発していました。

このケースでは、福島県は責任主管であり、彼らがこの3年前のスキャンダルから学習しなかったことは非常に大きな問題であり、新しいユニットはオンラインにされる前に適切にテストされなかったことは確実だろうと思われます。

このようなシステムは常に初期の立ち上がりに伴う問題だと言えるでしょう。

セーフキャストでは、現在、リアルタイム・フィックスセンサー(固定センサー)を、国内外で実験的に配置しています。その数は徐々に増えており、今回のような異常値や間違った動作などがどのような情報であるのかを知ることができるようにしています。

私たちは挑戦を過小評価していません。そして、この最新のスキャンダルは、私たち市民科学が独立したリアルタイム・センサーシステムをもつことで、政府機関のデータのチェック機能として確認することができるのだということを改めて認識させてくれました。

それと同時に、鋭い視点を持ち、技術的な知識を持つ市民が、今回のドロイド問題への発見につながる重要な役割を果たしたことを指摘したいと思います。

これは、セーフキャスト自体がそのような役割の一部であると考えているし、また、私たちが醸成したいと考えている文化のようなものでもあるのです。

翻訳: Shin-ichiro Yamamoto

RELATED LINKS:

Mainichi Shimbun: Glitch suspected in abnormally high readings at Fukushima radiation monitoring posts

Fukushima Minyu (Japanese)

NHK news item about the problem (Japanese)

Mainichi News (Japanese)

A compilation of Tweets in Japanese about the issue

NSR Realtime monitoring map page (old links broken)

IIDJ Japan Radiation realtime map ( data from 4500 official realtime sensors)[:en]Above: 77 new realtime radiation monitors made by JB Japan Brand were installed in Fukushima in March 2015 and taken offline weeks later. This unit, in front of Odaka Station in Minamisoma, has an “under maintenance ” notice posted on it.