日本政府によるツイッターおよび個人ブログの監視

In 論説 by the_STIG

2011 年 3 月 11 日以降、東京電力や日本政府に都合の悪い動画やコメントを含む Youtube の動画が、投稿後数時間のうちに削除されているという報告が頻繁になされていました。不都合な Youtube の動画には、テレビ番組で論議を呼ぶようなコメントをする専門家、原子炉から放出する煙を撮影した動画、福島での経験を語る東電の元社員などがあります。

また、技術者専用のインターネットのフォーラムに「工作員」が現れ、まったく見当違いの、原発を支持する政治的動機に基づくコメントを投稿し議論を遮ることもあります。同様に、原発や放射線の問題に関わるコメントを多く含むツイッターアカウントが妨害されることもあります。

より最近では、情報処理の高度化等に対処するための刑法等の一部を改正する法律案が 2011 年 6 月 17 日に国会で可決されています。

この法律により、警察は裁判所の令状なしに監視目的でインターネットサーバーに 3 カ月間、誰の通信内容でも保存させておくことができるようになります。成城大学法学部の指宿教授は、この法律により警察は制限なしに誰のインターネット活動でも監視することができるようになるとコメントしています。

同法は対象範囲が広く表面上は有益(つまりサイバー攻撃全般への対策を目的としている)に見えますが、日本人の解説者の中にはこの法律が違憲であり、少なくとも乱用の可能性は高いとしている方もいます。以下の例がこのことを明確に物語っています。

7 月 15 日に、経済産業省資源エネルギー庁は、原子力および放射線に関するブログやツイッターを監視する請負業者を募る「原子力安全規制情報広聴・広報事業」に関する入札を公示しました。経産省の入札手続きは以下にあります。

http://www.enecho.meti.go.jp/info/tender/tenddata/1106/110624b/110624b.htm

上記サイトの最後には、請負業者の条件や責務に関わる PDF 文書へのリンクがあります。

特に、この文書では、ツイッター、ブログなどインターネット上に掲載される原子力等に関する情報のモニタリングなど、請負業者が行うべき業務が概説されています。

* コメント

過去に福島原発で働いていた小野田医師は、氏のブログに有用な情報を多く掲載しておられますが(ウェブサイト:onodekita.com/)、この中で同氏は以下の概算をされています。

スタッフ 10 名(時給 2000 円)× 24 時間 × 210 日( 8 月 1 日から 7 カ月間)= 1 億円。とりまとめを行う人の賃金はこれよりはるかに高いと想定でき、パソコンその他の運営費用も加算すると、合計金額は 3 億円を上回るだろう。小野田氏は彼のブログも程なくブラックリストに載るに違いないと予測しています。

* 追加コメント

請負業者が実施すべき業務の詳細を説明するこの文書には、経産省の指針に反するブログやツイッターアカウントを禁止、凍結するとは述べられていないことにご注意下さい。問題は、今後経産省が、不正確な情報を「明確化」する境界を定めるのか、または将来的に、不都合と考えられる情報源を取り締まり抑圧する行動に出るのか否かという点でしょう。

By Stig & Kyoko